先週ビットコインの暴落を受けて、半日遅れながらアルトコインもビットコインのチャートをなぞるように価格が下がった。
先行きがうまく見通せない状況ではあるが、イーサリアムは着々と開発が進められている。
今回はイーサリアムの開発状況と今年6末までの進行見通し、米での「ペイパル・コイン」開発について、そして世界各国が注目するデジタル人民元の決済方法決定について紹介していく。
トピック: イーサリアムがゴールに到達するまであと6年の見込み
イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブリテン氏の発言によって、現在イーサリアムの開発進行状況は約50%に到達することがわかった。
開発状況が100%のゴールに達するにはあと6年かかると見込まれ、今後もイーサリアムは更なる改良が進んでいくことが示された。
Happy birthday beacon chain!
Here's an updated roadmap diagram for where Ethereum protocol development is at and what's coming in what order.
(I'm sure this is missing a lot, as all diagrams are, but it covers a lot of the important stuff!) pic.twitter.com/puWP7hwDlx
— vitalik.eth (@VitalikButerin) December 2, 2021
昨年12月には、新たなロードマップが示されたイーサリアム。
多くの投資家が心待ちにしているのが、PoSへの完全移行だ。予定では2022年6月までに移行が行われ、その時点で開発状況は60%まで進むという。
イーサリアムの6月までの開発進度には注目が集まるところである。
トピック:ペイパルがステーブルコインの開発を示唆、「ペイパル・コイン」誕生か
日本でもおなじみ「ペイパル」を開発した米ペイパル・ホールディングスは、同社独自のステーブルコインを発行する構想があることを示唆した。
仮想通貨は価格の変動が激しいことで、安定性がなく危険視される一つの要因となっている。
今回のビットコインの暴落も、その特性をしっかりと反映しているのは言うまでもない。
これに対してステーブルコインは、仮想通貨の不安定さを払拭し安定した価格を持続させるために設計された通貨だ。
価格を安定させるために、既存の通貨(仮想通貨を含む)を担保にしたり市場の変化に対応するアルゴリズムをもとに自動で供給量を調節できる機能を備えたりしている。
同社は米ドルに連動するステーブルコインを開発中で、「ペイパル・コイン」と名付けている。
トピック: 仮想通貨禁止の中国、デジタル人民元の決済方法を発表
昨年、既存の仮想通貨をすべて国外へ追い出した中国だったが、デジタル人民元の発行へ向けて準備が進んでいる。
中国の大手IT企業であるテンセントが提供する「Wechat Pay」を利用して、デジタル人民元の決済を行うことが発表された。
デジタル人民元は、CBDCといって中央銀行デジタル通貨の一種だ。デジタルかされた通貨でありながら、中央銀行によって発行されるという性質をもつ。
仮想通貨もデジタル通貨の一つであるが、CBDCとは性質が異なる。2022年冬の予定されている北京オリンピックにて、中国はデジタル人民元の実証実験を行うとしているが、反発を示す国も少なくない。特に米は、オリンピックへ参加するアスリートたちへ同オリンピックでのデジタル人民元使用の禁止を求めている。
デジタル人民元の構築システムにより、行動が監視される可能性があるからだ。デジタル人民元が国内だけでなく、海外との取引で利用されるようになれば各国で中国の監視の目が無数に光ることとなる可能性がある。
これに対して、各国はデジタル人民元への懸念を示しているのだ。
先週のまとめと今後の見通しの考察
イーサリアムは今年6月までに大きな変化を見せてくれそうであることから、期待がどんどん高まっていく。
昨年急増したステーブルコインは、今年もまた着々と増えていくことも予想される。
一方仮想通貨とは性質を異にするも同じデジタル通貨であるCBDCは、特に中国が開発・発行するとあって多くの国が懸念を示している。デジタル通貨の恐ろしいところは、人々の手に渡ることによってその情報を知ることができてしまうところにある。これが実際に発行され、世界中に散っていけば他国へも中国の干渉が広まることとなる。
こうした問題を孕みながら、デジタル人民元の開発と実証実験を進められており、今年のオリンピックでお目見えすることになりそうだ。