FTXショックの影響を受けて暴落したビットコイン。300万円台をキープしていた時間が幻のように去っていった。週頭は下落を続けていたが、15日直前に持ち直し現在はやや落ち着いている。
今回は、FTX事件発覚後の様子を中心に他2つのトピックについてお伝えしていく。
先週のBTCチャート(11月14日~11月20日)
前週でFTXの事実上破産のニュースを受けて暴落したビットコイン。
それまでは300万円台をキープしていた。今週始めは、230万円台からスタートし下落傾向。一時222万円のラインを割る状況だったが、15日を前に価格は急回復し一時240万円台へ。
その後はやや下落を見せるも概ね230万円以上をキープしながら推移した。
トピック:バイナンスが事業再生ファンド設立、きっかけはFTXの破産
14日、バイナンスCEOチャンポン・ジャオは、仮想通貨業界における事業再生ファンドの設立を発表した。
先日のFTX破産及び関連企業アラメダ・リサーチの破綻をきっかけに、ビットコインをはじめとする仮想通貨は不安定な状況にある。
一取引所崩壊の被害は甚大で、顧客だけでなく関連や同業界の企業も打撃を受けており、危機感が高まる。
このような状況を受けて、手助けが必要になる状況に陥った有望なプロジェクトの再建を助ける目的で、事業再生ファンドの設立が発表された。
FTXショックについては、詳細がまだ明らかになっておらず、これから更なる被害が波及する可能性もある。こうした一大事に少しでも対応すべく、業界全体で手を取り合う必要がありそうだ。
トピック:エルサルバドル、法定通貨ビットコインを毎日購入へ
昨年ビットコインを法定通貨に採用して話題となったエルサルバドル。同国のブケレ大統領は、18日より毎日1BTCずつ購入していく旨をTwitterで発表した。
法定通貨採用後から積極的にビットコイン投資を続けるエルサルバドルだが、国民は否定的だ。
先日行われた調査では、国民の実に3分の1がビットコインに対して否定的な見方をしていることがわかった。さらに、実際にビットコインを含む仮想通貨を利用したことのある人は4分の1に程度だという。
現在の姿勢を崩す様子はないが、今後ビットコインの価値が下がり続けることがあれば、法定通貨採用を見直す必要が出てくるだろう。
トピック:2023年にメルカリでビットコイン購入が可能に
8日に開催された「Fintech事業戦略発表会 2022」でメルカリは、アプリ内でビットコイン購入ができる機能を搭載する計画について発表した。
既に1200万人を超えるユーザーを有するメルカリが本機能を実装することで、一気にリーチできる点が特徴である。
詳細についてはまだ公表されていないが、同機能搭載後ゆくゆくはメルカリ内でビットコインによる出品物売買が行われることが想定される。多くのユーザーがビットコインに気軽に触れられる環境が提供されるのは、2023年春の予定だ。
先週のまとめと今後の見通しの考察
FTXショックで大打撃を受けたビットコイン。週頭は下落傾向にあったが、週末に向けて少し落ち着いた。
ただし、予断は許さない。FTXショックの全貌はまだ明らかになっておらず、詳細がわかれば更なる打撃を生む可能性があるからだ。
バイナンスCEOのチャンポン・ジャオは、こうした事態に備えるため事業再生ファンドの設立を発表した。業界全体で協力して持ち直しをはかる必要がありそうだ。