今回は、イーサリアムのDeFi以外の活用ビジョン、5.5億円提供して作られたソラナ財団のクリエイターファンド、米国と中国の熱戦について紹介している。
米中経済戦争以外の2件に関しては現在の注目株で、どちらもプラスに大きな値動きが予想される注目したい内容だ。
トピック: ヴィタリック・ブテリン氏、イーサリアムをDeFiのさらに先へ
イーサリアムの共同創業者であるヴィタリック・ブテリン氏は、フランスで開かれたイーサリアム・コミュニティ・カンファレンスの基調講演で、DeFi(分散型金融)以外の分野における開発に積極的に取り組むべきだという考えを示した。
同氏は、イーサリアムは金融を遥かに超えたところで常に分散化、信頼性の最小化、そしてメカニズム設計の実験を行うことだと、イーサリアムのビジョンについて述べた。
中央集権的な技術が最も苦手とする金融分野において、イーサリアム上に構築されたDeFiは驚異的な成長を遂げた。しかし、現在金融関連のアプリが「イーサリアム空間を支配している」ことに対してブテリン氏は警鐘を鳴らしている。
同氏は、金融以外のユーティリティこそが、「汎用ブロックチェーンのビジョンの中で最も興味深い分野」であると述べている。その一例として、ソーシャルメディアにおけるイーサリアム利用の可能性について言及した。ブロックチェーンが持つ、中立的で検閲耐性な特徴と、トークンを利用した「経済レイヤー」を用いた設計が容易にできるなどの優れた点に着目している。
トピック:ソラナ財団やAudiusが5.5億円提供、クリエイターのためのファンド立ち上げ
仮想通貨ソラナ(SOL)の開発を手掛けるソラナ財団が、分散型音楽配信プラットフォームAudius(AUDIO)などはクリエイターによるWeb3.0の利用を促進するために、5.5億円規模の専用のファンドを立ち上げたことが明らかになった。
Web3.0とは、Web1.0およびWeb2.0に続く、Webサイトやインターネットの特徴および構造を表す概念のことだ。Web3.0では、分散型のネットワークを利用した非中央集権的なあり方が特徴的である。
今回立ち上げられた新規ファンドは、1000人のクリエイターを対象に金銭的支援を行うが、現時点では候補となるクリエイターは決まっていない。ファンドの支援対象は主にアーティストやミュージシャンだ。
ソラナ財団は今回の発表で、「クリエイターが事務所などを介さずに、直接ファンと繋がるインフラを提供可能」「我々が自らクリエイターにアプローチし、ソラナネットワークを利用してもらう」とクリエイターによるエコシステムの創出に積極的な姿勢を見せている。
トピック: 米国と中国、北京五輪を前にデジタル通貨に関して争い勃発か
2022年北京五輪を前にして、米国と中国との間で熱戦が始まっている。
サウスチャイナモーニングポストによると、7月20日の記者会見で、米国の上院議員が米国人選手団に対して来年のオリンピックでデジタル人民元を使わないように要請した件について、中国外務省の報道官がコメントした。
中国人民銀行は、2022年の北京五輪で外国人選手や海外からの観戦者にデジタル人民元を使えるようにすることを検討している。
加えて報道官は、米国の議員が「スポーツを政治問題化するのを止めて、中国のデジタル通貨を問題視するのを止める」ように求めた。さらに、米議員の一連の行動はデジタル人民元に対しての無知から生じていると指摘。デジタル人民元について理解するべきだと語っている。
まとめ:仮想通貨ソラナの飛躍が止まらない
仮想通貨ソラナは、2020年3月にローンチさらばかりの歴史の浅い仮想通貨だ。そんな新しいプロジェクトが、数億円規模で資金を提供しファンドを立ち上げるまでに成長した。他にも、今年5月にはコインベースに上場したり、DEX(分散型取引所)を構築する動きがあったりと活躍の幅を着々と広げている。今後はそのように展開していくのか楽しみである。