先週は乱高下を繰り返す形となったビットコイン。週半ばにはFOMCの発表があり、予想通りの利上げが決定されている。今回は、FOMC発表後のビットコインの動きを中心に、他2つのトピックについて紹介していく。
先週のBTCチャート(9月19日~9月25日)
こちらは先週のビットコインチャートだ。非常に特徴的な動きを見せている。
300万円台を切ってスタートした19日、夕方には260万円台まで下落を見せた。その後20日にかけてV字回復を見せるが、下落傾向へ。22日直前にはまたもや急落を見せている。その後も乱高下を繰り返しながら、下降傾向のまま週末を迎えることとなった。
トピック:FOMCが利上げ決定、継続姿勢でビットコイン下落
21日、FOMC(米連邦公開市場委員会)が発表された。予想通りの0.75%の利上げが決定されることとなった。
FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、利上げの継続姿勢を固辞。痛みを伴うとしても、覚悟を決めて利上げを継続していく旨を示した。
FOMCの結果を受けて、ビットコインは下落。売り優勢となった。利上げの継続が示されたことによって、リスク資産である仮想通貨はより一層寒い思いをすることになるだろう。
トピック:水力発電でビットコインマイニングを、株式会社FUELHASH
21日、ビットコインマイニング事業に注力している株式会社FUELHASH(フエルハッシュ)は、水力発電を利用して生み出した再生可能エネルギーを使用したビットコインマイニングファームの運用開始を発表した。同ファームは、カナダのオンタリオ州に設置され、マイニング機材にはビットフューリー社製を使用している。
ビットコインが採用するコンセンサスアルゴリズムPoWは、マイニングによって膨大な電力を消費する点が問題視されてきた。同じ問題を抱えていたイーサリアムは、Margeという大型アップデートを経て、PoWを脱しPoSへの移行を完了させている。これによりイーサリアムは、従来の消費電力の99%をカットすると予想されている。
ビットコインはコンセンサスアルゴリズムを変更することがないため、現状のまま膨大な電力を消費し続けることになる。
これを少しでも緩和する手段の一つが、再生可能エネルギーの利用だ。FUELHASHは、SDGsの観点からも同事業に積極的に取り組んでおり、6月には太陽光発電によって生産された再生可能エネルギーを使ったマイニングサービスを開始。今回は、100%水力発電をスタートさせている。
同社は今後も同じように、再生可能エネルギーを使ったマイニング事業を拡大する予定だ。
トピック:英仮想通貨取引所コインコーナーが「Seed Group」と提携
英仮想通貨取引所コインコーナーは、マン島というところに拠点を置いている。同島は、英の近くにありながら英に所属しない島だ。他国に所属しているわけでもなく、独立国という扱いでもない。自治権を許されたイギリス王室直属の領土とされている。
そんなマン島に拠点を置くコインコーナーは、この度「Seed Group」と提携を発表した。
Seed Groupとは、実業家のアフメド・ビン・サイード・アル・マクトゥーム氏が設立したプライベートオフィスだ。彼はドバイを支配しているアル・マクトゥーム家の一人として知られている。
両社が提携を結ぶことで、コインコーナーがドバイを足掛かりとして中東へ進出できるよう支援が受けられるという。
先週のまとめと今後の見通しの考察
300万円台に持ち直した前週だったが、先週の頭には既に300万円を切ってスタートしたビットコイン。乱高下を繰り返しながら、週末は270円台で着地した。週半ばにはFOMCの影響を受けた下落も見られ、依然として流れを変えられないまま9月を終えようとしている。
パウエル議長が利上げの継続を示した以上、しばらくはこれまで同様一喜一憂の日々が続きそうだ。