今回の週報では、ビットコインの採掘難易度やタップルートのアップデート、日本でビットコインが外国為替と認められないというニュースについてピックアップした。
先週のBTCチャート(6月28日~7月4日)
こちらが先週のビットコインチャートだ。30日には久しぶりに400万円台に到達した。その後380万円前後でもみ合いを繰り返し、週末には約390万円で着地した。
トピック:ビットコインの採掘難易度が過去最低を記録
ビットコインは3日、過去最大の採掘難易度の軟化を記録した。記録はなんと約28%だ。
今回の下落は、マイナーたちが中国から他国に移転する動きによってハッシュレートが低下したことによるものである。
採掘難易度はハッシュレートの変化に影響を及ぼす。軟化すると、マイナーにとってマイニングで利益を得やすくなる。ただ、マイナーがマイニングを再開するのは数ヶ月先になると予想されており、その間にハッシュレートが上がってしまうと採掘難易度も再び上昇する可能性がある。
ビットコイン支持者の間では、「ビットコイン価格はハッシュレートに従う」と言われている。これが本当だとしたら、下落トレンドは10月末まで続くと見られている。
トピック: ビットコインの「タップルート」アップデート、プライバシー改善とスマートコントラクト導入を可能に
ビットコインの大型アップデート「タップルート」が、プライバシーの改善とスマートコントラクトの導入を可能にすることが分かった。
タップルートへのアップグレードは6月12日に、マイニングノード間で90%の支持を得ている。
ビットコイン開発者はタップルートがプライバシーの大幅な改善をもたらすとみなしている。タップルートアップグレードの提唱者の1人であるピーター・ウィール氏は、次のようなことを述べている。
「タップルートは特定のもの(マルチシグやレイヤー2などの複雑なアプリケーション)をより安価にする方法でビットコインのスクリプト機能を拡張し、正確な支払いルールを隠すことによってプライバシーを強化する」
つまり、支払い条件をマスキングすることで取引を識別できなくしているというわけだ。これがプライバシーの改善につながる。
また、タップルートはビットコインのスマートコントラクトの運用にも対応する。さらにタップルートはこれまでのスマートコントラクト運用に比べてシンプルなものである。そのため、タップルートでのスマートコントラクトは、単純なウォレット間のBTC送金と見分けがつかないように見える。
タップルートはソフトフォークアップグレードであるため、ネットワーク参加者は変更を採用する義務はない。しかし、アップグレードによって手数料が低くなるかもしれないなどの利点を鑑みた場合、参加者はソフトウェアをアップデートする可能性が高い。
トピック: 日本政府、ビットコインを外国為替と認めず
先日エルサルバドル共和国でビットコインを法定通貨とする法律が定められたが、日本政府は「ビットコインは外国為替に該当せず、暗号資産に該当する」との見解を示した。
日本では、エルサルバドルでビットコインが米ドルとともに法定通貨として認められたことを受け、貿易や外国為替などに関わる「外国通貨」の定義や「強制通用力」の有無が問われていた。
この点については、「ビットコインの強制通用力を認めている外国が存在しない限り、ビットコインが外国の通貨と同様の性質を持つと解することは困難である」と2014年3月の国会答弁書にて主張していた。
エルサルバドルはビットコインを決済手段として受け入れる強制通用力を明文化していたものの、技術的に困難な場合は義務から除外されるといった文面などから、強制通用力はないと解釈した可能性がある。
まとめ:採掘難易度の変動にも引き続き注視
先週はビットコイン価格がやや上昇し、回復を期待した人も多かったことであろう。しかし、依然として大幅な上昇は見込めず、採掘難易度の動きに基づく予測によれば、下落基調は10月末まで続くと見られている。もしそうなら、しばらく低調な状態が続き、タップルートの実装に伴って再び一気に跳ねる可能性もあるだろう。今後も関連情報は要チェックだ。