先週は、先々週に続きビットコインの価格が大きく上昇した週であった。上昇の主な要因は、アルトコインのイーサリアムでロンドンハードフォークが実施されたことだと考えられる。今回はビットコインに関する主なニュースをピックアップして紹介する。どれも今後のビットコインの可能性についてのものとなっている。
先週のBTCチャート(8月2日~8月8日)
こちらが先週のビットコインチャートだ。440万円台からスタートし、週末には497万円にまで上昇。久しぶりの上昇となった。
トピック:中国で規制されたマイナーたちが向かう先とは
中国では仮想通貨のマイニングに対する規制が厳しくなっている。そのため中国のマイナーたちは世界中で移転先を探しているものの、まだ主要な移転先は見つかっていない。
移転先の候補として、北米は有力である。マイニングは膨大な電力を消費する。アメリカには利用可能なエネルギーが多く存在するため、マイニングに最適だというわけだ。さらにテキサス州などのアメリカの地域は仮想通貨やビットコインマイニングに対して好意的な地域として知られている。マイアミのスアレス市長は「原子力発電による電力を基盤にして、マイアミがマイニングの中心地になれば」と語っているほどだ。
一方で、中央アジアもマイナーの移転先として可能性を秘めている。中央アジアは電力コストや人件費、輸送費、税金の安さなどが魅力的だ。専門職の人件費で比較すると、アメリカは比較的高額である。マイニング機器の維持や修理にかかる人件費節約のために、アメリカでは壊れた機器をそのまま放置していることもあるという。
他にもいくつか候補となる地域はあるが、ひとつの場所にとらわれる必要がないのも事実である。マイニングも多様化し、世界中で取引が活発になること可能性も十分にある。
トピック:コインベース、Apple PayとGoogle Payでの仮想通貨購入が可能に
米仮想通貨取引所コインベースは、ユーザーがApple PayとGoogle Payで仮想通貨を購入できるようになると発表した。コインベースはブログ記事で、「Apple PayとGoogle Payにリンクされたデビットカードで仮想通貨の購入を可能にするシステムを導入し、24時間365日利用可能なトランザクションごとに最大10万ドルの即日決済を実現する」と述べている。
Apple Payはすでに対応しており、Google Payは今年の秋以降に導入予定だという。
トピック:ウクライナの新しい法案で、仮想通貨決済が導入
ウクライナで仮想通貨決済を許可する法案が提出されたことが明らかになった。政府関係者によると、仮想通貨を法定通貨とは見なさないものの、仮想通貨での支払いを許可することになるという。
法案では以下のように規定されている。
「現在のウクライナの法律では、ドルでの支払いも禁じているがドル建てのカードでは買い物ができる。ウクライナでは仮想通貨で支払うのは全く合法的になるが、仲介業者を通じて行うことになる」
ボルニャコフ副大臣は、仮想通貨による支払いや保管、両替の仲介サービスに大きな市場ができると期待しているという。さらに今回のウクライナでの法案が、仮想通貨利用の可能性を拡大していくと考えている。
まとめ:世界中で仮想通貨の利用ハードルが下がっている
海外ではApple PayとGoogle Payで仮想通貨の購入や、国単位で仮想通貨決済が可能になるなど、仮想通貨利用の垣根がなくなる動きが加速している。
これまで仮想通貨というと、「投資家がするもの」「怪しい」というイメージを持つ人も多かったことであろう。しかし実際のところ、仮想通貨はブロックチェーンを活用しているため手軽に送金が行えるなど、利便性の高い通貨である。今回のニュースは、仮想通貨のそのような利点が世界から認められ始めた証と捉えることができるのではないだろうか。