一次400万円台まで下落を見せたビットコインだったが、先週は500万円台に回復を見せた。
週の半ばでは550万円台に到達する様子も見せ、市場にも少し活気が戻った。
その中で、S&P500との強い相関関係を示すなど、一つの指標として役割を見せる部分もあった。
今回の記事では、S&P500との相関関係と他2つのトピックについてお伝えしていく。
先週のBTCチャート(4月18日~4月24日)
先々週は一時400万円台まで価格が落ちたビットコインだったが、先週は19日直前から価格が上昇。
一次は550万円台まで価格回復を見せ、安堵の息が漏れた。
しかし、相変わらず価格を維持できず、22日を迎える前に520万円台付近まで下落。
週の終わりまで、510万円台でもみ合いを続ける結果となった。
トピック:米当局による追加制裁、ロシア関連ビットコインマイニング企業へ
EUが、ロシアへの経済制裁追加措置として仮想通貨取引等の制限を加えた一方で、米はマイニング企業に対して制裁措置を講じている。
主導するのはOFAC(米財務省外国資産管理室)で、ロシアのビットコインマイニング企業とそれらの子会社の合計10社を「特定国籍業者」へ追加。
OFACが定めるリストに掲載された企業や業者には、取引禁止や資産凍結などの措置が講じられ、これを「OFAC規制」と呼んでいる。
OFAC規制によって、ロシアマイニング企業は米に接点のある取引等において、上記の規制を受けることとなる。日本でも同規制にのっとり、対象国や企業が関連する取引について取り扱いできない場合があり、金融機関等で注意喚起が発表されているところも多い。
トピック:S&P500との相関関係が過去最高水準へ
ビットコインとS&P 500の相関関係が、90日間で過去最高水準に到達したことがわかった。
2022年第1四半期では、5.5%の下落を見せたS&P500だったが、ビットコインもほぼ同じ動きを見せ、強い相関関係を示していた。
さらに今回、その相関関係が0.58という高い水準で現れ、過去最高水準に達したとされる。特に下落トレンド中は、ビットコインはS&P500よりも数時間~数日前に動き始めることから、先行指標として見られることもある。
相関関係は時として弱まることもあるが、2020年7月以降は特に強まっていると見られる。
背景には、機関投資家による参入が相次いだことが挙げられるだろう。
一方で、金融引き締めが強まる中で需要が高まる金などのコモディティ類とは、相関関係が薄いことが分析の結果わかっている。
このことから、ビットコインがインフレヘッジに有効という見方はできないと言える。
トピック:SECによるビットコイン現物ETFは再度延期へ
昨年より話題となっているSEC(米証券取引委員会)によるビットコイン現物ETFの承認は、またもや延期される運びとなった。
今回、再延期を受けたのは「Bitwise Bitcoin ETP」だ。同ETFは今年7月1日に最終判断が下されることとなる。
昨年10月に申請した同ETFだが、今回の延期を最後に7月に最終的な決定が下されるとのことで、大きな注目が集まるだろう。
今のところ、SECによるビットコイン現物ETF承認の例はまだない。
同ETFが前例となるのか、振り出しに戻るのか、気になるところである。
先週のまとめと今後の見通しの考察
ビットコインは先々週よりも価格を取り戻し500万円台に復帰。一次は550万円台にタッチするも、最終的には下落傾向となった。
500万円台を維持しつつ、上昇できるか期待が高まるところである。S&P500との強い相関関係から市場をある程度予測できることを踏まえると、今後金融引き締めが強まっていくとビットコインも大きな影響を受けることは想像に難くない。