ビットコインの価格が300万円台に乗り、アルトコインも追随して安定にし始めている仮想通貨市場。
依然として不安は残りつつも、大きな危機は脱したように見える。不安も乱高下する中で、これまで各国の取り組みも幾度となく軌道修正されてきているが、本記事ではアメリカ・イギリス・韓国それぞれの現状についてお伝えしていく。
トピック:米SECが米証券法に基づいた登録に仮想通貨業者を組み込むことを示唆
SEC(米証券取引委員会)のゲンスラー委員長は、レンディングサービスのような形で仮想通貨の貸し出しを行っている会社は、投資会社と同じという見解を示している。
これにより、同様のサービスを提供する仮想通貨業者を、米証券法にしたがって登録できるようにする旨を明らかにした。
仮想通貨業者の位置づけが明確になることで、新たな枠組みの創設にもつながるだろう。
トピック:ステーブルコイン決済について規制、英国
20日、英国財務省が金融サービス・市場法案を発表した。
この中で、ステーブルコインの決済に関わる規制について言及されている。
英国では4月、仮想通貨に対して非常に前向きな姿勢を取ることを明らかにしており、世界的な仮想通貨技術のハブを目指すと公表していた。当時の計画の中には、ステーブルコインを決済手段として認める方針も組み込まれており、かなり充実した内容となっていた。
しかし当時の財務大臣リシ・スナク氏が7月5日に、財務経済担当大臣であるジョン・グレン氏が6日に辞任したことで、今回のような方向転換が行われたとみられる。
トピック:仮想通貨20%課税を2025年に延期、韓国
韓国では21日、今年度の税改革計画が発表された。
その中で、仮想通貨に20%課税にすることについて、2025年に延期されることが明記された。本来、課税の施行は2022年を予定していたが、仮想通貨に対する明確な規制基準が存在しないことを踏まえて、延期の議論が行われていた。
課税についての決定を先延ばしにして確保した期間で、韓国国内での仮想通貨規制の在り方について議論が深められるだろう。韓国内で20%課税が施行されると、年間約25万円の仮想通貨収益に対して20%の税金が発生することとなる。
先週のまとめと今後の見通しの考察
仮想通貨に対する姿勢は、各国で様々だ。
これまで前向きな姿勢を見せていた国でも、英国のようにトップが変わればガラッと方針が転換されることもある。したがって、確実な決定が下されるまでは右往左往するのが実態だ。
少なくとも言えることは、今回紹介した3つの国が、中国のように仮想通貨を全面的に排除する姿勢ではないということだ。それぞれの国の実態に合った形で、仮想通貨と共存していく道を模索している。
日本は、これらの国の動きをモデルにしながら、自国の仮想通貨規制について議論していくと予想される。その分、やはり日本は各国よりもワンテンポ遅れて、仮想通貨規制について決まっていくだろう。