ビットコインの急落があった先週だが、アルトコインも連動して下落している。リップルやイーサリアムなどの主要アルトコインの下落は一体何が原因なのだろうか。
先週の主なトピックから見ていこうと思う。
トピック:ビットコインやXRP急落前後で強い売り圧力
26日の仮想通貨市場は、20,000ドルの過去最高値に迫る19,500ドル目前まで急騰していたビットコインが急落。直近のビットコインのドミナンスは高く、それに続いてアルトコインも全面安となり、XRPやETHなど大幅に上昇していた主要アルトが暴落した。一部の分析では、今回の下落で仮想通貨全体で20%の資産が減少したという計算に至っているところもある。
この理由は、仮想通貨の高騰とともに膨らんだレバレッジポジションの巻き戻しにより、ロスカット連鎖が続いてフラッシュクラッシュが発生したとみられている。
フラッシュクラッシュとは負の連鎖のことで、相場が大きく動いた際にレバレッジをかけてポジションをホールドしている人たちが追証や強制ロスカットで焼かれていき、システムが自動的に利確を行なっていくことによってさらに相場が大きく動いてしまう現象のことを指す。
今回の変動もかなり大きなものなので、この現象が発生しているとみられている。
また、テクニカル的にもイーサリアムもETH2.0アップデートを目前にして上昇トレンドが停滞、米国のトランプ政権による仮想通貨ウォレット規制を示唆する情報や大手中華系暗号資産取引所OKExの出金停止解除が重なったことも売り圧力となった。
トピック:アップデートのNEMに注目
(2020年1月1日から11月29日までのXEMのチャート)
あまり知られていないが、NEMは実はブロックチェーン・プラットフォームの名称で、このNEMプラットフォーム上で利用されている暗号資産がXEMである。
夏頃、このXEMのアップデートが実施されるということで、XEM価格は大きく上昇した。上昇したのち9月頃に利益確定のため売りに押され下落したが、足元の暗号資産への関心の高まりを背景に再度動きそうだ。
現在の価格はおよそ20円付近。2020年の初頭には1桁円台も観測していたことを考えるとだいぶ上昇している。いくつかの大手取引所はアップデートのオプトインを発表していないので、その辺りのニュースについても要チェックだ。
トピック:リップル(XRP)価格がマイナス20%の急落
(2020年11月23日から29日までのXRPのチャート)
先々週頃は、価格を高騰させてきていたリップルだったが、25日あたりでは苦しい展開が続いている。
リップル(XRP)価格は、一時0.71ドルにまで到達したもののその後は下方への動きが強まっている。その下げ幅は約20%にものぼり、市場に暗雲が漂いつつあるのだ。
数日で倍額以上に価格を上昇させたものの、上値堅い。著名アナリストなどは、上昇は一旦落ち着きを見せ、ここから徐々に売られ始めていくのではないかと噂されている。元々大きな価格変動を運営側が好んでないというXRPだが、ここ数週間のボラティリティは高い。下降トレンドが来るとしたら一気に来るはずだ。通貨をホールドしている人たちは指値で売りを入れておいても良いかもしれない。
先週のまとめと考察
先週はビットコインとアルトコインが共に下がっており、仮想通貨市場全体が盛り下がっている様子も見せているが、価格上下が激しく、正しいトレンドが読みにくい状況だ。
順当に進めば上昇トレンドなのだが、一見して上値が硬く頭打ちの状況にも見えるので、下降トレンドの前兆だとも言うことができる。ビットコインが200万円目前にして誰もわからない領域に到達するが、正しく情報を取り入れれば相場予測することは可能だ。
しっかりと正しい情報を見分けていこう。
また、記事に記載のとおり、アメリカが仮想通貨の規制を強化するというニュースもでており、今後とも仮想通貨周りのニュースに注目する必要がある。