史上最高値更新の明るい雰囲気もつかの間、先週のビットコインはそこから20%の下落を見せ下降トレンドとなった。
価格の下落とともに投資家たちの恐怖は強まり、動揺を見せている。
今回はBTCにおける「恐怖・強欲指数」を中心としたトピックと、価格下落の背景にあるとされるバイデン政権のインフラ法案について、そしてニューヨークで話題のビットコイン不動産について紹介していく。
先週のBTCチャート(11月15日~11月21日)
先週の頭は、ビットコインの大型アップデートである「Taproot」が実装されたことやVanEckのビットコイン先物ETFのローンチが発表されたことで価格が上昇したが、その後は下落傾向となった。
史上最高値を更新した最中、一気に価格は20%の下落を見せ、投資家たちの「恐怖・強欲指数」は「恐怖」に入った。
トピック: 「恐怖・強欲指数」からわかるビットコイン投資家たちの「恐怖」とは
仮想通貨市場を読み解く上で重要な指標の一つである「恐怖・強欲指数」。
0~100の数値で示され、0に近いほど投資家たちが恐怖を感じており、100に近づくほど強欲(楽観)になることを表している。
今回の20%の下落を受けて、投資家たちの心理は「恐怖」の領域に入った。これは、約2か月ぶりの出来事である。
数値は急落し「恐怖」領域に入ったが、それ以前は70前後の強欲寄りの領域で2か月間推移していた。価格とともに投資家たちの心理も急降下している様子がわかる。
恐怖・強欲指数だけで考えるならば、ビットコインの新規投資家たちが増えているからこその傾向とも読み取れる。長期保有者は価格下落を好機として冷静に買い増しを続け、保有を続けているからだ。
そうした面を見れば、今回の「恐怖」領域到達はそれほど重大な問題ではないと捉えることができる。価格の下落は不安を感じざるを得ないが、ビットコイン市場はまだまだ成長を見せるだろう。
トピック: ビットコイン大幅下落の背景にバイデン政権のインフラ法成立
今回の価格下落の背景には様々な要因があるが、大きなものとしてインフラ法の成立が挙げられる。15日に成立したインフラ法とは、今後8年間で1.2兆ドル(約130兆円)の資金を使って米国内のインフラ投資を行うという内容で、バイデン政権の主要政策としてかねてより話題となっていたものだ。
インフラ法制定によって投資に使われる支出は各業界の税収によって補われる。
実はインフラ法に対して投資家たちが懸念を示すのは、ここに要因がある。
成立のためには多くの税収が必要となるため、インフラ法案の中に仮想通貨業界から280ドル規模の聴衆を行うという案が含まれていたのだ。今回の可決によって、仮想通貨業界への課税は2024年1月開始予定となった。
トピック: ニューヨーク不動産会社、2900万ドルのコンドミニアムをビットコインで売り出し
大きく価格が下落している最中、ニューヨークの不動産会社は2900万円ドル(約33億円)のコンドミニアムをビットコインの支払いに限って売りに出した。
売りに出されたコンドミニアムは、約840平方メートルの面積で、3つ合わせて同金額とされている。実は仮想通貨により不動産売買の例はこれが初めてではないが、金額として史上最高値として大きな話題となった。
このニュースを見ると、少なくとも高級物件を売買する層の仮想通貨の需要は非常に高いと推察される。
ビットコインを使った不動産投資を考える人も増えていくだろう。
先週のまとめと今後の見通しの考察
先週は大幅な下落を見せたビットコイン。
価格と共に投資家たちの心理も「恐怖」へと落ち込む様子が見られた。背景にはインフラ法成立による、仮想通貨規制や課税への懸念がある。
一方で、様々な業界が仮想通貨に目をつけており、需要はまだまだ留まることを知らない。このため一度価格が落ち込んでも、また盛り返してくれることが想像に易い。
今週のビットコインが価格を回復できるかどうか見物だ。