ビットコインは先週、下落傾向を脱し300万円台に向けて上昇を見せ始めた。
しばらく暗澹とした空気に包まれていたビットコイン市場だが、ようやく回復に向けての兆しが見えたといっても過言ではない。
今回は、中央アフリカで行われているプロジェクトについてとビットコインマイニングに関するトピック2つについて紹介していく。
先週のBTCチャート(7月11日~7月17日)
先週は、前半に260万円台付近まで下落したものの、13日時点で反転。その後は順調に上昇傾向へ移り、週末には290万円台付近で揉み合う形となった。
今週は300万円台の回復も見込めそうな状況で、安堵の空気が流れる。
トピック:ビットコインサイドチェーン「Sango」の起ち上げ、中央アフリカで
中央アフリカ共和国は来る25日、ビットコインサイドチェーン「Sango」を起ち上げることを明らかにした。
Sangoは、中央アフリカのサンゴ・プロジェクトという仮想通貨関連プロジェクトの中の一つとして行われる。同プロジェクトは、世界の仮想通貨愛好家に向け、仮想通貨ハブの構築を目指している。
関連法案などの整備も進められており、国をあげて仮想通貨を推進する勢いだ。
サイドチェーンSangoを使ってビットコイン入金をすると、s-BTC(サンゴ・ビットコイン)を得られる。これは、中央アフリカで使われているプラットフォーム取引で使えるサンゴ・コインに交換できるというシステムになっている。
同国では、サンゴ・コインを中心に仮想通貨経済圏の構築を目指しており、今回のサイドチェーンローンチは、これの一端を担う取り組みとなっている。
トピック:ビットコインマイニング効率上昇
ビットコインは今年に入ってから想像以上の下落を見せている。その影響はマイニング企業へ直撃し、破産に追い込まれているところも少なくない。
しかし、そうした中でビットコインマイニングの生産効率が上昇しているというデータが出ている。
今年6月初旬には、日本円で約333万円発生していたコストが現在は約180万円まで低下。
コストが下がったことによるハッシュレートの低下は、今のところ確認されていない。つまり、ビットコインは従来よりも安く採掘できるようになったわけだ。
ただし、ビットコイン価格が下落している以上、手放しで喜べる状況ではない。ビットコイン価格を取り戻しつつ、現状のマイニングコストが維持できればビットコイン市場は再び息を吹き返す可能性もあるだろう。
トピック:ビットコインマイニングの消費電力問題、7社がヒューストンレベルの電力を消費
ビットコインマイニングコストが削減したとはいえ、採掘には莫大な電力を消費する。
米民主党による調査では、米マイニング企業の7社の消費電力がヒューストンレベルに匹敵するということがわかった。
ヒューストンは全米4位の都市で、人口は230万人。
つまり、マイニング企業7社が230万人分の電力を消費しているというのだ。
米民主党をはじめとして、議員はこの事実を非難。今後、どのように消費電力を削減していくかが大きな争点となっていくだろう。
ニューヨーク州では、既にビットコインマイニングを期間限定で禁止する法案が可決されている。米全土に、この流れが浸透していく可能性は大いにある。
先週のまとめと今後の見通しの考察
先週のビットコイン価格は、大きな心配を脱し、300円台回復に向けて期待を持てる動きを見せている。今回特に話題となったのは、ビットコインマイニングについてだ。
マイニングで消費する莫大な電力は、世界各国で問題となっている。
増え続ける消費電力について、米でどのような動きが見られるか注目が集まるところだ。