ビットコインは6月に入って、価格を回復しつつあった。
先週は400万円台のラインを超えて一時安定、価格のもみ合いを続けていた。
ところが、米CPIが発表されると相場を下落傾向に。今回は、米CPI発表による影響を中心に、他2つのトピックについて紹介していく。
先週のBTCチャート(6月6日~6月12日)
先週は410万円のラインを超えるなど、回復の兆しを見せたビットコイン。
400万円台をキープしながら順調に推移していたが、11日を迎える前に下落。
その後も回復せず、週の最後には370万円台の大幅下落となった。(*その後、さらに価格を下げて300万円前後まで落ちている)
トピック:ビットコイン急落の背景に、米CPI発表
価格を維持できずに下落したビットコイン。背景には、米CPI(消費者物価指数)の発表があった。
最新5月のCPIは、前月比1%と増加を見せ、さらに前年度決日は8.6%にものぼった。
この数値は市場の予想を大きく上回っており、金融引き締めに対する懸念を強める結果となった。
7月にFOMC(連邦公開市場委員会)によって、0.75ポイントの利上げに踏み切る可能性が上昇。
早くて今週には、同ポイントにて利上げが敢行される見通しもある。
こうした米CPI発表と共に、ニューヨーク州での仮想通貨マイニング禁止に関わる法案が可決するなど、ビットコイン周辺の雲行きは怪しくなってきている。
トピック:Web3.0を超えて、BlockによるWeb5.0計画とは
ジャック・ドーシー氏がCEOを務めるBlockは、決済サービスを提供する金融関連企業の一つだ。
同社が抱える子会社の一つであるTBDは、ビットコインを中心に据えた新たな分散型Web「Web5.0」の計画を発表。
Web5.0は、ビットコインブロックチェーンのみを基盤として稼働するWebシステムとされている。
同システム上では、分散型IDとノードを使って分散型Webアプリの製作を可能とする。
Web5.0では、ビットコインのレイヤー2ネットワーク「ION」が用いられる予定だ。
現在日本も国を上げて注力しているWeb3.0は、ビットコインに限定せず様々なブロックチェーンと関連技術、通貨を導入してWebを分散化するしくみとなっている。
これを敢えてビットコインに絞り、Webそのものが全てのユーザー情報を管理できるようにする。
これによって、サードパーティによる情報管理を排し、一括した情報の管理を可能にする。
トピック:SECへの訴訟を検討、米グレイスケール
米グレイスケールは、SEC(米証券取引委員会)によるビットコインETF非承認に備えて、訴訟を準備している可能性が示唆されている。
現在申請中のビットコインETFは、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)のETF転換だ。
これに対するSECの承認決定は7月6日までに行われる予定となっている。
今回承認が却下された場合、訴訟を行うことを示唆しており、準備として元米国訴務長官のDonald Verrilli氏を法律顧問として採用した。
SECは昨年より一貫して、ビットコインETFの承認を却下している。
理由は、現物ETFには投資家・消費者保護の機能が十分に備わっておらず、マネーロンダリングなどの温床になる可能性が高いということだ。
こうしたSECの姿勢に対して疑問視する企業は少なくなく、グレイスケールもその内の一社。
同社は、投資家の利益を生み出す商品としてビットコインETFを力強く推している。
先週のまとめと今後の見通しの考察
米CPI発表の度に相場が大きく動くビットコイン。
今回は市場の予想を大きく上回る結果となり、一時急落を見せた。
13日時点で価格は下がり続けているため、今週中に400万円台復帰は難しいと見られる。
加えて、ニューヨーク州でのマイニング禁止など、ビットコインに不利な動きが増えてきた状況だが、LUNAによる打撃は回復されつつあるように感じる。
一方、見込みどおりに米国で利上げが実施された場合、市場は更に荒れる可能性が高い。引き続き注視が必要だ。