先週はついに、イーサリアムの「ロンドン」ハードフォークが実施された。今回はそのハードフォークについてのニュースと、テザー・リップル社についてのニュースをピックアップした。
トピック: イーサリアムのバーン量が1週間で117億円相当に
「ロンドン」ハードフォークが実施されたイーサリアムでは、ハードフォーク後の1週間で手数料の総バーン数が1億ドルを突破したことが分かった。
バーン(焼却)とは暗号資産の一部を永久に使えなくする処理のことだ。誰も秘密鍵を持たないアドレス宛に暗号資産を送金することによって実施される。
ロンドンアップグレードハードフォークでは新たな手数料システムが導入された。ベースフィー(基本手数料)として支払われる分のイーサリアムがバーンされるのだ。
ユーザーは基本料金を支払った上で、速く取引の処理をしたい場合はプライオリティフィーを支払うことで優先度を上げることができる。
この変更で、手数料の予測がしやすくなり変動や急騰を抑えられるというメリットがある。
ハードフォークから1週間で発行されたETHは約10万ETH。そのうち約35,000ETHがバーンされているため、新規発行量の約35%がバーンされている計算になる。
トピック:テザー社がUSDTの準備資産内訳を公開
米テザー社が発行するステーブルコインUSDTの準備資産の内訳を公開した。
今回の報告書では、628億ドル(約7.5兆円)の準備資産の内訳は以下のように公開されている。
・85%:現金及び現金同等物、その他の短期預金、コマーシャルペーパー
・8%:社債、ファンド、貴金属
・4%:担保貸付金(関連会社向けではない)
・3%:その他(デジタルトークンを含む)
今回の報告では、コマーシャルペーパーの割合は前回の65.36%に対して58%と減少している。しかし注目すべきは、前回は非公開だったコマーシャルペーパーの格付けと満期日の内訳を報告したことだ。その大半にはA-1+からA-3の格付けがついている。また満期日については、90日以内のものが約34%、91日~180日が約21%、181日~365日が約45%と発表された。
トピック:リップル裁判の今後の日程が公開、SECはSlack履歴の提出を要請
リップル(XRP)の有価証券を巡る裁判で、今後の日程が発表された。日程は以下の通りだ。
8月16日:リップルは、SECが要求するSlack上のチャットデータ提出に関するデリバリーカンファレンスについて応答
8月17日:リップル社が主張するSECによる政府省庁に関わる情報開示の特権の不適切な行使について、SECが返答
8月31日:SECのファクトのディスカバリー(証拠開示の手続き)
10月15日:SECの「エキスパートディスカバリー」の終了期限
今月10日には、SECがリップル社に対して同社従業員がSlackでやり取りしたメッセージを提出するように求めた。申立書によると、リップル社はこれまでに限られたデータしか提出していない状況だという。今年7月1日にはSECがリップルに対し、同社が提出したデータは不完全であることを伝えていた。
まとめ:手数料体系が刷新されたイーサリアム、今後の行方は?
先週はイーサリアムの大型アップデートのため仮想通貨全体の価格が上昇した。イーサリアムのブロックチェーンは様々な分野で活用されているため、今回の手数料体系の変更は各地影響を及ぼすに違いない。今後のイーサリアムからも目が離せない。