重帳に300万円台をキープしていたビットコインに予期せぬ衝撃が襲った。大手仮想通貨取引所FTXが事実上の破産に追い込まれたのである。
今回はFTX騒動について簡単に触れながら、3つのトピックについて紹介していく。
先週のBTCチャート(11月7日~11月13日)
300万円台を維持して順調に推移していたビットコイン。週始めは300万円台でスタートしたものの、再び寒さを感じる下落となった。
下落原因はみなさんもご存知の通り、大手仮想通貨取引上FTXの買収ニュースとその後に続く破産だ。仮想通貨界に大打撃を与えたニュースは落ち着くことなく週末へ。価格は、230万円台のライン付近で辛うじて推移しているという状態になっている。
トピック:LUNA(テラ)の次はFTXショック、思うように伸びないビットコイン
先週まで順調に300万円台を維持できていたビットコイン。このまま価格を維持し上昇トレンドへ移っていくかと思いきや、そう簡単にはいかなかったようだ。
みなさんもご存知の通り、先週は仮想通貨界ではFTXが話題の中心だった。
大まかな流れは次の通りだ。
- CoindeskがFTXの資金内情についてリーク
- Binance(バイナンス)CEOがFTXの独自トークンFTTを全て売却すると宣言
- FTTが暴落を始めFTXの出金が増える
- FTXの出金対応が遅延し市場の不信感が募り出金が加速
- 出金に耐えられないFTXにBinanceが買収の話を持ちかける
- BinanceがFTXの抱える借金を認知し買収の話が消える
- FTXが事実上の破産に追い込まれ出金停止に
細かい部分では他にも色々あったが、大まかな流れとしてはこうだ。
それまではBinanceやBybitと肩を並べていた大手取引所が、いとも簡単に崩れ去っていく姿を見た。
この一連の流れの中で、ビットコインをはじめ仮想通貨は暴落。
再び仮想通貨の冬に逆戻りとなってしまった。
トピック:ビットコイン先物とETFは取引量が急増、きっかけはFTX
ビットコイン価格は暴落を極めたが、その裏でビットコイン先物やビットコインETF(上場投資信託)は取引量が急増する事態となっている。
なぜなら先物取引や上場投資信託の方が、通常の仮想通貨取引よりも安定した市場だからだ。それは、規制の中で整備されているからということに他ならない。
これまで数多の国の金融庁が仮想通貨のリスクについて問題視している発言をしてきたが、今回のFTX事件はまさに投資家保護の観点で大きなリスクが発生したとしか言いようがない。
大きなダメージを負った投資家たちは、こぞってより安全なヘッジ取引へと移行しようとしているのだろう。
トピック:シルクロードから不正流出のビットコインを押収、米捜査当局
2012年シルクロードを使って不正流出したビットコインについて、昨年11月時点で米捜査当局が押収していたことがわかった。その額は、現在価格1500億円相当。
一連の捜査の中で、James Zhong被告による犯行ということもわかり、同氏は4日に罪を認めている。
先週のまとめと今後の見通しの考察
先週はFTX騒動一色だった。当然だが今回の問題はそう簡単に落ち着かない。今後、各取引所はより一層厳しい規制にさらされていくことは間違いないだろう。FTX利用者は、失った資産を前に取り戻す術もない。仮想通貨界の今後の動きは、見守るしかないだろう。