ビットコインの勢いが戻りつつある。ETH2.0への期待から始まった長期間に及ぶイーサリアムとあわせての価格上昇から一転して急落、しばらくもみ合いを続けていたが、ここ数日で価格がじわじわと回復してきた。
今回の記事では、ビットコインの今後の展望を、直近の状況を踏まえて解説していきたい。
ビットコイン価格上昇の理由-ドミナンスの回復
まず、16日にビットコインの価格が11000ドルを超えた要因だが、1つ挙げられることはアルトコインやDeFi(分散型金融)での利益が再びビットコインに戻ってきたという説がある。
以前、イーサリアムをはじめとしてアルトコインがドミナンスを押し上げていった動きが見られたが、今回はそれがやや減退に戻りつつあるということだ。もともとの傾向として、アルトコインの価格が上昇してドミナンスが上がったあと、ビットコインのドミナンスが回復に動くということはデータとして出ていた。アルトが上がればビットコインが上がり、アルトが上がりすぎると利益確定させるためにビットコインにもどってくる、という構図だ。
今回の動きはまさにその典型に当たるのではないだろうか。
そして大事な点としては、このドミナンス回復の際はどのアルトコインよりいい値動きを見せるという点である。つまり仮想通貨市場でビットコインがもっとも上昇率が高くなる。
実際に、ここ最近でビットコインのドミナンスが59%から61%に戻った時には価格がやや跳ねた。この動きから言えることは、今後もビットコインのドミナンスがより回復した際には価格の動きに期待が持てるのではないか、ということだ。
ビットコインへの信頼-原点回帰
もう1つの要素として、やはり仮想通貨のなかでビットコインが最も信頼できる通貨なのではないかという「ビットコイン一強説」がまた色濃く出た、という点だ。
仮想通貨市場の過去を振り返ると、ご存知のとおり様々なアルトコインが誕生し、注目されては消えていくというサイクルを繰り返してきた。しかしそのなかで、ビットコインだけがアルトコインの動きとは一切関係なしに唯一ドミナンスを維持し続け圧倒的なパフォーマンスを出してきた。これは紛れもない事実である。
今ではイーサリアムやリップルなどのアルトコインが一定の地位を築いているものの、ビットコインを脅かすまでには至っていない。イーサリアムがETH2.0によって期待されたが、結局はDeFiやUniSwapなどによってビットコインの預けどころとして使用されるにとどまる、と言った感じである。
原点回帰、ビットコインへの信頼の高まり、今後価格に対してさらにポジティブな影響を与えると考えられる。
過去データでビットコイン価格の推移を見てみると、半減期の15ヶ月後に価格が上昇する傾向がある。今年の5月が半減期だったため、データに照らし合わせるとしばらくは価格の急上昇は見込めないかもしれないが、投資家たちの潜在的な信頼感が高まるほどに、価格は底堅いものになるだろう。
仮想通貨市場全体のボラティリティはまだまだ高い。が、ビットコイン価格の底は少しずつ安定してきており、見通しは悪くないのではないだろうか。