ビットコインは半減期を超えたことによって報酬がこれまでの半分になった。これまでは駆け込み需要によって価格を維持してきたと思われるビットコインの価格が先日大きく下落した。
チャートを複数組み合わせると、ビットコインマイナーたちが「採掘と報酬が割に合わずに市場から離脱し始めているかもしれない」という可能性が見えてきている。
ビットコインマイナーの能力と稼働状況を表すハッシュレートと呼ばれる指標がある。ハッシュレートとは1秒間にどれぐらいの計算が行われているかを表す値だ。ハッシュレートが上昇していれば積極的に採掘している証であり、市場に新規のマイナー達が参入している活発な状況にあると言える。反対にマイナスに転じれば市場からマイナー達が離脱しているような状況を示すことになる。
データは細かく取得されているのでギザギザになり判断が難しいが、このレートも平均移動インジケーターで評価されており、ハッシュレートの平均移動インジケータのことをハッシュリボンと呼んでいる。
今回話題になっているのはこのハッシュリボンで、長期戦と呼ばれる60日移動平均線が30日移動平均線をデッドクロスして下回っているのだ。平均移動線になじみがある人はピンと来るかもしれないが、デッドクロスが起きたということは下降トレンドに入る可能性が大きいことを示唆している。
つまりは市場全体のマイナー達が「採掘費用が、実際の採掘量と換金可能額との割が合わない」として、離脱気味だと考えられる。
マイナーたちが離脱するとどうなるのか。マイナーたちが離脱すると、これまで彼らが発掘してきたビットコインを清算するフェーズに入る。つまり多くのビットコインが売りに出されるので、価格が減少するといったロジックだ。
少し前のニュースでも取り上げていたが価格がいきなり半分になってしまったことは我々の考えていた以上に大きなインパクトを市場に与えているようだ。既存のスペックのマシンでは採算割れを起こしてしまい、さらに高性能で高効率なスペックのマイニングマシンが必要になってくる。
ビットコインリボンは過去に10回ほどしかマイナスなっていないところを見ると、今回も大きな事件として話題になっているのも頷ける。
価格は転落気味。反撃の影響が遅れて出てきているようなチャートが見える。割に合わないマイナー達が離脱している間しばらくは価格調整の時期に入りそうだ。