先々週に引き続き、ビットコインは相変わらず低迷を続けている。
300万円台まで回復できなかったビットコインは、各所へ大きなダメージを与えている。
その際たる例がマイニング事業者だ。
今回は、ビットコイン価格下落によるマイニング事業者への影響と共に、他2つのトピックをお伝えしていく。
先週のBTCチャート(6月20日~6月26日)
やはり先週のビットコインは300万円台に戻ることなく、200万円台を推移する結果となった。
21日に290万円台に触れたものの、すぐに下落。
26日までに、なんとか280万円台後半まで持ち直してはいるが、300万円台が遠く感じる値動きを見せた。
トピック:パウエル議長、ビットコインによるマクロ経済への影響はない一方で規制が必要と示唆
FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、ビットコインの価格変動がマクロ経済へ影響を与えることはないと発言した一方で、ビットコインをはじめとする仮想通貨を支える規制の必要性を主張した。
ビットコインをはじめとする仮想通貨市場は、特に米国株価の影響を受けて価格の下落を見せている。
さらに、金利の引き上げも相まって、リスク資産として売りが強まっている状況だ。
不安定な価格変動を見せている仮想通貨だが、パウエル議長はこの点に関して注意深く見ていると示してはいるが、マクロ経済への大きな影響はないと言い切っている。
ただし、規制についてはより仮想通貨に合ったものが必要だとの見解を示している。
既に各国では仮想通貨に関する規制の整備に乗り出しているが、方向性はバラバラだ。
仮想通貨市場が衰退せずに、今後も盛り上がっていくためにより良い規制が検討されることを望む。
トピック:マイニング事業者に向かい風、事業の継続に暗雲
下落傾向を強めるビットコイン。
ニューヨークでのマイニング規制も相まって、マイニング事業者には向かい風が吹いている。
ビットコイン下落に伴って、マイニング事業者の収益は減少。
事業の維持が難しくなるケースも増えてきている。
このため、多額の借り入れを行って事業を維持する事業者も多い。
マイニング事業者の一つ、Bitfarms(ビットファームズ)もそのような状況下にある。同社は、少しでも負債を減らすために保有していたビットコインの半分近くも売却しなければならなくなった。
もちろん、後ろ向きな戦略ではなく厳しい現実に立ち向かっていくための手段だと主張しているが、今後もビットコインの低迷が続くと残りの保有コインの行く末も検討しなければならなくなる。
このような中、マイニング事業者が減少しマイニング量が減っていけば、ますますビットコインは厳しい状況に追い込まれるだろう。
トピック:ビットコインのネイティブサポートをスタート、AVAX(アバランチ)
アバランチが提供するプラットフォーム「アバランチブリッジ」が、ビットコインのネイティブサポートをスタートしたことが明らかになった。
以前はイーサリアムネットワーク中心となっていたため、ERC-20規格のトークンに対応していた。
このためビットコインを使用する場合は、WBTC(ラップドビットコイン)を経由する必要があったのだ。
しかし今回のアップデートによって、ストレートにビットコインを使えるようになるため、多くのビットコイナーがアバランチチェーン上に展開されるDeFiを利用するようになることが期待されている。
先週のまとめと今後の見通しの考察
13日に大暴落を見せて以来、300万円台までの価格回復が難しくなっているビットコイン。
200万円台を切ることをないものの、不安定な動きが続き大きな不安が市場に広がっている。
大幅な価格変動によって、ビットコインマイニング事業者は大きなダメージを受けており、事業に影響が出ている現状がある。
このまま価格の低迷とマイニング事業者の衰退が続けば、本格的にビットコイン市場は立ち直れない状況へ陥っていくだろう。