今回のアルトコイン週報では、イーサリアムのロンドンハードフォークやGMOから誕生予定のNFTマーケットプレイス、さらに中国のデジタル人民元の普及に関する情報をピックアップした。
トピック: イーサリアムのハードフォーク「ロンドン」、6月24日からテストネットで稼働予定
イーサリアムのハードフォーク「ロンドン」のために、3つのテストネット用のブロック高が設定された。ブロック高の設定はメインネットリリースに向けた最後から2番目のステップであり、いよいよ本格的に実装に近づいていることが分かる。
今回設定されたのは、ロプステン(Ropsten)、ゴレリ(Goerli)、リンケビュー(Rinkeby)テストネットだ。イーサリアム財団のWebサイトに投稿したブログ記事で、イーサリアムの開発者ティム・ベイコ氏が述べている。
まずロプステンが6月24日のいずれかの時点で実施され、次にゴレリが6月30日、そしてリンケビューが7月7日になると予想されている。
しかし、最も重要なメインネットのアップグレードのリリーススケジュールはまだ検討中である。
今回のロンドンハードフォークでは、イーサリアムの既存手数料体系を全面的に見直す改善提案が含まれており、ユーザーのガス代を大幅に軽減することが期待されている。また、「イーサリアム2.0」にアップグレードすることで、ネットワークをより拡張性のある「プルーフオブステークコンセンサスメカニズム」に移行させる。これにより、ブロック検証のためのエネルギー消費を大幅に削減するという。
トピック: GMO、NFTマーケットプレイス事業を8月に開始
GMOインターネットは16日、NFT(非代替性トークン)事業の参入を目的とした新会社を設立したと発表した。
新会社は「GMOアダム」といい、NFTの取引が可能なマーケットプレイスを展開する。今年8月から事業開始予定だ。
NFTの取引では、クリエイターは商品を二次流通させることや、二次流通時の収益の一部を得ることも可能だ。熊谷社長が記者会見で述べていた、「クリエイターやアーティストがきちんとした対価を得ることができなかった」という問題をNFTは解決することができる。
新しいNFTマーケットプレイスは法定通貨やクレジットカード、仮想通貨での決済を可能にする予定。さらに言語が日本語、英語、中国語の3ヶ国語で展開していくとのことだ。8月にはベータ版としてサービスを展開し、年末までに一般のクリエイターにも開放していく方針である。
トピック:中国でデジタル人民元の普及が進む
中国では、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入が加速している。大手銀行がデジタル人民元を使えるATMを大量に設置しているという。
中国国営通信の報道によれば中国人民銀行が管理するデジタル人民元が、北京の各地に設置された3000台以上のATMで入出金が可能になったという。
さらに、ブロックチェーンによるデジタル人民元での給与支払いのテストも開始されている。
中国河北省の雄安新地区の公式サイトによると、中国人民銀行はデジタル人民元を使い、国内初のオンチェーンによる給与支払いを無事に完了させたという。
今回のテストで、ブロックチェーンベースの給与支払いによって賃金支払いプロセスを大幅に簡略化することができたのだとか。
中国は世界各国の中でもデジタル通貨の普及が進んでいる。中国の状況をよく観察しておくことで、いざ日本にも本格的に導入することになった際には参考にできるであろう。
まとめ:NFT関連市場は今後ますます盛り上がる!?
GMOからNFTマーケットプレイスが展開されることや、中国でのデジタル人民元が普及していることなど、世界中でデジタル化の動きが強まっている。最近は、有名人の写真やアーティストの作品がNFT化されてオークションなどで高額で取引されていることがニュースで紹介される頻度も増してきている。NFTマーケットプレイスは今後も増えていくと考えられ、またCBDCも遅かれ早かれ世界各国で導入されていくだろう。
業界熱の高まりを感じさせるいま、早い段階で知識をつけておくことは有益である。今後も世界中の仮想通貨およびデジタル通貨関連の情報を取り上げていくので、引き続きチェックしてほしい。