TeslaのCEO、イーロン・マスク氏が直接言及したことでアルトコイン「ドージコイン」の注目が高まっている。
この記事では、ドージコインの概要と今回話題となった背景を簡単に解説していく。
そもそもドージコインとは?
ドージコイン(Dogecoin)は、Jackson Palmer氏とBilly Markus氏によって2013年に開発されたアルトコインで、柴犬”ドージ”をモチーフとしている。”ドージ”とは「Dog」のスラングであるDogeが由来となっており、2013年に柴犬の写真と複数色フォントのテキストで構成されて人気となったインターネット・ミームからヒントを得ている。
ドージコインはビットコインを参考にして作られているが、ビットコインとの相違点は「発行上限がない」という点にある。これにより需要と供給のバランスが保ちやすくなっており、価格が比較的安定しやすい。一方で、自由に流通量をコントロールできることで価格は跳ねづらく、短期的な投資対象としては向いていないと考えられる。
また、1コインあたり0.1ドルにも満たないという低価格に加え、人気株式投資アプリ「Robinhood」や大手仮想通貨取引所「Bittrex」でも取引可能といった点から、低価格アルトコイン(草コイン)との交換などへの需要が高い。
2019年11月時点で、1,200億以上のDogecoinが市場に流通している。
Tesla社CEOが取り上げたことで暴騰へ
TeslaのCEO であるElon Musk氏が1/29の夜、ドージコインを「お気に入りの通貨」だと語り、ペット犬の雑誌「Douge」の表紙の画像を投稿したことでドージコインは急騰した。1月29日に1コインあたり0.007~0.008ドル台だった価格は、一気に0.07ドル台まで急騰し、約10倍の成長をみせた。これにより、仮想通貨取引所バイナンスでの1日あたりの取引高は50億ドルを記録している。
一方で同氏は音声型SNS「Clubhouse」でビットコイン以外の仮想通貨に対して「特別な考えをもっているわけではない」とコメントしており、ドージコインについての発言は冗談だとも述べている。
ドージコインは2019年のエイプリルフールに「CEOを選ぶとすれば誰がふさわしいか?」という企画を行っており、投票によりMusk氏が選ばれている。この結果を受け、2019年4月2日にMusk氏ツイッターのプロフィールを「ドージコインのCEO」に変更し、ドージコインとの繋がりをアピールした。ここから両者の関係が始まっていくが、ドージコインに関する一連の動向はジョークの一環として捉えるのが賢明だろう。
Twitterでの注目度がビットコインを超える
仮想通貨データ分析会社The TIEは、ドージコインが1月28日にTwitter上でビットコインよりも話題になったとのデータを共有した。
このデータによると、ドージコインのTwitter言及数は28日に1787%上昇し、24時間で8万9991件の投稿があったとのことだ。これはアルトコインとして初めて24時間のビットコインの言及数を上回ったとのことで、大きな快挙となる。
出典:Twitter TheTIEIO
Dogecoin tweet volume has surpassed Bitcoin over the last 24 hours.
This is the first time we have on record that an altcoin has been tweeted about more than Bitcoin over a 24 hour period.
— The TIE (@TheTIEIO) January 28, 2021
まとめ
一般的にはジョークコインとして捉えられているドージコインだが、その話題性と瞬間的な高騰によってユーザーから大きく注目されることになった。Musk氏の動向により仮想通貨市場が変動することを「イーロン・マスク砲」とも呼ぶが、ドージコインはその恩恵に再び預かることができるのか。
目下、Musk氏の本命はビットコインのみであると考えられているが、ジョークだったとしてもドージコインに再び触れることがあれば再高騰となる可能性は十分にあるだろう。