下落が続き、盛り上がりのない近頃のビットコイン。今回は、さらなる下落の要因となった中国当局の規制強化や、イーロンマスク氏のツイート、香港での規制強化について紹介する。
先週のBTCチャート(5月17日~5月23日)
こちらが先週のビットコインチャートだ。下落トレンドであったビットコインだが、中国の規制強化を受けてさらに続落している。一時期700万円ほどにまで高騰していたビットコインも、19日には348万円という価格を記録。価格が戻る兆しはまだ見えない。
トピック: 中国で仮想通貨への取締りが強化される
中国の国務院金融安定発展委員会は21日に開かれた会議で、ビットコインマイニングおよび取引に対して取り締まる方針を明らかにした。
今回の会議の中では、「金融リスク防止」という点で仮想通貨市場についても議論された。具体的にどのように取り締まるかは明確にされていない。
国務院がビットコインについて言及したのは今回が初であり、投資家が警戒を強めている。その影響で相場は再び急落していた。
加えて、中国国家インターネット金融協会などの3つの政府関連機関は18日に共同声明を発表。決済企業など金融機関の仮想通貨取扱いの禁止方針を伝えた。
今回の声明で、「仮想通貨の価格が乱高下している中で、投機的行為が多くなっている」「仮想通貨への投機行為は市民の安全性や経済・金融の秩序を乱している」とコメント。
中国の仮想通貨に対する規制が厳しくなり、ネガティブな材料が報じられたことで価格急落を再び招いた。
トピック:結局イーロンマスク氏は仮想通貨 を支持しているのか?
相場が下落するそもそもの要因となったイーロンマスク氏。彼は近頃、テスラ社の決済手段としてビットコインの受け入れを停止するなど、ビットコイン不支持を匂わせるツイートをしていた。
そんな中、マスク氏は22日夜、仮想通貨を支持する内容のツイートをした。短期的な価格変動はそこまで重要ではなく、「仮想通貨の重要な問題は法定通貨との戦いにある」「結局のところ、私が支持しているのは仮想通貨だ」とコメントした。
彼の発言によって価格が大きく上下することから、世界中から注目を集めている。しかし、このツイートをしてもなお価格の下落はあまり緩和されていない。
トピック:香港で一般投資家の仮想通貨取引が禁止される
21日のロイター通信の報道によると、香港の規制当局は、香港での仮想通貨取引を禁止する方針だと明らかになった。
取引は資格のある投資家のみに限定される。800万香港ドル(約1.1億円)相当のポートフォリオを持つ個人がプロの投資家となる。これにより、香港の人口の最大93%が仮想通貨へのアクセスから除外されることになる。
香港の仮想通貨業界の関係者は、この規制案が浮上した当初から不満を表明しており、この動きは金融イノベーションを奨励するという目標に反していると主張した。
まとめ:先週1週間のビットコインの動き、今後の展望
ただでさえ弱気相場だったにもかかわらず、中国の規制強化を受けてビットコインはさらに下落した。香港でも規制は強化されており、仮想通貨に対するネガティブな報道が多くなった週であった。
マスク氏は「短期的な価格変動ではなく長期的な視点で見ることが重要」と言っていたが、以前のような価格を取り戻すことはあるのだろうか。(本ページ投稿時点で、レイ・ダリオ氏がBTCを保有しているとの発言や、BTC保有者数が過去最高更新など少しポジティブな情報が出てきたため価格は430万円ほどに達している)
引き続きしっかり観察していきたい。