先週はビットコイン価格が大きく下落した衝撃的な週となった。直近はポジティブムード一色だっただけに、今回の下落は業界を揺るがすちょっとした騒ぎとなった。
この記事では、下落の要因を探りつつ、今後についての考察をご紹介したい。
先週のBTCチャート(2月22日~2月28日)
こちらが先週のビットコインチャートだ。先々週は600万円の過去最高値を更新していたが、23日にまず大きく下落。2020年3月のコロナショックの暴落に次ぐ下落幅となった。その後も下降を続け、現在は480万円前後を推移しているという状況だ。
トピック: ビットコイン価格が23%超の下落
日本市場では23~24日にかけてBTCが急落した。直近高値の約600万円から約480万円と、-23%の下落である。
下落の要因としては、テスラ社のイーロンマスク氏と米イエレン財務長官のネガティブな発言によるものとの見方もある。しかし、最近デリバティブ市場は約56億ドルのポジションがロストカットされ、警戒感が増していた。そのためテクニカルと需給面の加熱、そして利益確定売りに押された、というのが主な要因と見られる。
また、コインベースではクジラが大きな額で動いていることが指摘されている。データ分析サイトのクリプトカラントのCEOは、米コインベースのプレミアムが下落と急騰を繰り返していることを示した。さらにコインベースでは44000ドル~48000ドルのクジラの「買い」があったとして、「誰が市場を動かしているかよく覚えておくべきだ」と指摘している。
トピック: テスラのイーロンマスク、なぜビットコインを支持するのか?
15億ドル相当のBTCを購入したテスラ社。それを受けてビットコイン市場は先日急騰したが、なぜビットコインを支持するのか、ということについてCEOのイーロンマスク氏はTwitterで述べている。
金(ゴールド)支持者で仮想通貨に批判的なピーター・シフ氏の「仮想通貨は法定通貨よりも価値がない」という発言に対して、マスク氏はこうツイートした。
「金を持っていますよ、という通知は信用の形ではあるが、実際にあなたが金を持っているわけではない。ビットコインは価値あるデータを瞬時に手にすることができる。さらに仮想通貨は、取引エラーなどを最小化するものに進化する」
ただ、現在のビットコインの相場は高すぎるという点にも言及している。
事実、ビットコインは暴落。マスク氏のこの発言が売りを躍起させる一因になったのではないかという見解もある。
トピック: ETFは順調に伸びているが
北米で初の承認を受けたETF(上場投資信託)の資産運用残高が、上場後2日で約445億円を超えたことが分かった。パーパスインベストメントが運営するビットコインETFは、トロント証券取引所に18日上場。初日の取引は1億ドルを超えたとのこと。
また、Evolve ETFも19日、トロント証券取引所で取引を開始。現在の資産運用残高は127万ドルである。
やはり関心が高いと一度は下落したものの、「今後も上昇するのでは?」という期待が見て取れる。
まとめ:1週間の動き、長期トレンド交えた今後の展望
先週は久しぶりにビットコインが大きく下落した週となった。ETFは伸びてきているものの、今後も動向には注意が必要である。特に、クジラが大きな額で動いて市場を動かしたことや、利益確定売りなど様々なことが重なり下落に至った。また、イーロンマスク氏のような、仮想通貨に積極的な実業家にも注目が必要だ。本稿アップ時点では520万円台に戻っているが、まだしばらくは予断を許さないだろう。
今後も随時ニュースを更新していくのでチェックするようにしてほしい。