高騰が続いた翌週のあたる先週のビットコインは15日にまたもや値上がりを見せ、ついて6万ドルを突破した。背景にあるのは、SECによるビットコインETFへの期待感の高まりだ。
今回の記事では、ビットコインの6万ドル突破のニュースと合わせて背景にあるビットコインETFについて紹介し、最後にテザー社のニュースに触れていく。
先週のBTCチャート(10月11日~10月17日)
こちらは先週のビットコインチャートだ。
15日から16日にかけて価格が高騰し、700万円台に到達している。今年は既にビットコインの最高値が約6万5000ドルを記録しているが、その値に迫る勢いだ。
トピック:ビットコイン6万ドル台突破、今年最高値まであとわずか
繰り返しになるが、先週15日にビットコインが6万ドル台を突破した。先週のチャートを見ると、週のはじまりである11日には一時価格が下落し、610万円台を上下している。
背景には、JPモルガン・チェースの最高責任者であるジェイミー・ダイモン氏の発言がある。「ビットコインに価値を感じない」という要旨のネガティブ発言をしたことで、市場にネガティブな雰囲気をもたらしたと考えられる。
また、彼はビットコインや関連する仮想通貨が今後規制の対象になっていくだろうという私見も示している。
これらの発言から一時価格が落ち着いたビットコインだったが、その後SECの発言によって6万ドル台を突破したのだ。
発言による価格の揺れは毎度のことだが、ポジティブなニュースによる上がり幅の方が大きいことから、多くの投資家がビットコインに期待を寄せていることがわかる。
トピック:米SECによる先物ETF初めての承認、ビットコインETFへ高まる期待感
15日の価格高騰の背景には、米SECによる先物ETF承認の動きがあった。先日からSECの動きが注目されていたが、ついに米国初のビットコインETFが承認されたのである。
正式なローンチは本日18日となっており、ニューヨーク証券取引所「Arca」にて上場となる。
そもそもビットコインETFは、上場投資信託という捉え方だ。
これが承認されると、一般的な投資信託とはちがってより自由な方式で投資信託をすることができるようになる。ビットコインへの投資方法が広がるため、より多くの投資家たちが参入することが見込まれるのだ。
つまり、ビットコインとその周辺の仮想通貨市場がさらに活気づくことが期待される。
これまでSECはビットコインETFの承認を先延ばしにするなど、かなり慎重に審査を続けてきた。しかし今回正式な承認が下りたことで、他のETFが認められる可能性も出てきており、さらに期待が高まっている。
トピック:テザー社・Bitfinexが米CFTCと和解
15日には先ほど紹介したSECのニュースの他のもう一つ別のニュースが舞い込んだ。
米CFTC(米商品先物取引委員会)が、ステーブルコイン発行企業であるテザー社とテザー社の関連企業である仮想通貨取引所Bitfinexに和解案を提示して、これが成立したのである。
両社合計で罰金4250万ドル(約48億円)の支払いに応じることで正式に和解が成立した。
テザー社は、自社が発行するUSDTの保有数に対してそれを裏付けるだけの法定通貨を保有していなかったという過去を、Bitfinexは取引所を運営するにあたっての規制違反を指摘されていた。
さらに、取引所の運営資金と顧客の資産を一緒に管理していた問題も浮上しており、仮想通貨取引所としては信頼できない管理体制が明るみになっていた。
テザー社側は問題については認めておらず、CFTCからの指摘についても最近ではなく過去のものだとしている。罰金の支払いには応じたが、あくまで規制違反を認めるわけではないという姿勢を見せている。
これを受けて今後、テザー社に関する監査・調査結果は数か月以内に公開されることが予想されている。
先週のまとめと今後の見通しの考察
ビットコインに対する要人たちのネガティブな発言は変わらず散見されるが、それを跳ねのけるかのようにビットコインは価格の高騰を見せている。特に米国内の動きや発言による影響は凄まじく、現段階ではビットコインETFの初承認を受けてかなりの期待感の高まりがうかがえる。
他のビットコインETFの承認がどのようなスパンで成されていくかという点には、今後も注目すべきだろう。