現在ビットコインはまだ膠着状態を続けている。レンジとしては96〜99万円付近を推移している。
なぜまだ膠着状態が続いているのか。これは、判断材料が無いためと予測できる。特にビットコインはダウに連動することはこれまで何度も取り上げてきたが、ビットコインに大きな影響を及ぼすアメリカでいいニュースも悪いニュースも起きていない事が挙げられる。つまり、ビットコインは現在ダウと連動しているが、そのアメリカ経済で「退屈」な状態が続いているのだ。
上記も踏まえた上で、ここでは今後のビットコインの値動きを予測していきたいと思う。
まず1つの判断材料になり得るのはドルの価格の下落だ。
コロナショックが世界を包んだ時に多くの投資家が買った通貨がドル、円、スイスフランだ。安全通貨として買い込んだ分の調整が今後2年間ほどは続く事が予想されている。つまり、買った分の通過が売りに出されるという事だ。仮に調整に入ったとしたら、ドルの価格は落ちることになる。もちろん、ドルの価格が落ちればビットコインの価格も落ちることになる為、今後2年間のビットコイン価値は下落の傾向になるかもしれない、という予想を立てることができる。
2つ目の判断材料は長期保有が増えてきているという点だ。
これまでビットコインはデジタルゴールドと呼ばれてはいたが、有事の際の安全資産としての認識をされるまでには至っていなかった。しかし、今年の6月にビットコインの長期保有者(12ヶ月以上の保持)が過去最高の2030万人となった。この長期保有者の数は比例関数的に増加傾向にあり、このまま長期保有が増えれば資産の安全性は高まっていく。ドルの価格低下による一時的なビットコインの急落はあり得るかもしれないが、短期的に損得を考えず一部の投資家と同じように大きく構えていればいいのかもしれない。
3つ目の判断材料が新規アドレスの増加だ。
このビットコインが膠着状態の間にもビットコインの新規アドレス(ウォレット発行)数が増えているのだ。さらに1時間あたりのアクティブなアドレスが1年ぶりの高さを記録し、1時間あたりの取引数は10ヶ月ぶりの多さだった。この傾向を見るとビットコインを保有する母数が増える為、価格の下落は考えづらい。より安定した価格へ向かうのではないかと予想する事ができる。
これら3つの判断材料からトータルで判断すると、今後の短期的な価格は下落傾向になると予想する。ドルが今後売りに出される可能性が高い為、調整期間の下落はまず起こるとみていいだろう。しかし、悲観的になる必要はない。ビットコインの新規アドレスの増加と長期保有の増加から安全資産としての傾向を強めてきている為、長期的にみて価格の安定が予想される為長い目で見守る事が重要なのではないだろうか。
結論、冒頭の内容をなぞる退屈な形にはなってしまうが、我々も大きな動きが見えるまでは、今のまま保持をする事がベターではあるようだ。