今回はエルサルバドルでのデジタル通貨の発行、ビットコインによるDeFiのための新部門設立、さらにビットコインのノード数が過去最高を記録したことについて詳しく紹介している。
先週のBTCチャート(7月12日~7月18日)
こちらが先週のビットコインチャートだ。週の始めには380万円にまで高騰していたが、バイナンスがリトアニアや香港から警告を受けたなどの報道により価格は下落。週末は340万円で着地した。
トピック:エルサルバドルでデジタル通貨を発行する可能性あり
エルサルバドルのオンラインニュースEl Faroの報道によると、エルサルバドル政府が独自のデジタル通貨「コロン・ドル」を発行する可能性があることが判明した。
コロン・ドルについてはナジブ・ブケレ大統領の兄弟であるイブラヒム・ブケレ氏とユセフ・ブケレ氏が大統領の代表として投資家に向けたプレゼンテーションで述べた。同通貨はステーブルコインの仕組みを利用したものであり、年末までに発表する予定だという。
2001年、エルサルバドルは不安定な自国の通貨「colón(サルバドール・コロン)」の流通を撤廃。現在は唯一の法定通貨として米ドルを使用しているが、ビットコイン法案が認められたことで9月から米ドルとビットコインが法定通貨として利用される予定だ。
ビットコインの法定通貨化に関しては、世界的な金融機関からも批判の声が相次いでいる。国際決済銀行の委員は「BTCは投機アセットであり、決済手段には相応しくない」と発言。
今回のデジタルコロンについては、政府が「計画は一度破棄された」と話したが、別の情報筋によれば計画は進行中だという。
トピック:ジャック・ドーシー氏率いる米スクエア、ビットコインによるDeFi(分散型金融)のための新部門発足
米モバイル決済企業スクエアのCEOジャック・ドーシー氏は、ビットコインを利用したDeFi(分散型金融)のサービス構築を手掛ける新部門を設立すると語っている。
ドーシー氏の16日のツイートによると、スクエアの新部門は「ノンカストディアルで、パーミッションレスな分散型金融サービスを簡単に作成できるようにすることを唯一の目標とする、オープンな開発者プラットフォーム」で、ビットコインにフォーカスしていると述べている。
さらに、スクエア独自のビットコインハードウェアウォレットを開発中であることも発表している。
TwitterのCEOでもあるジャック・ドーシー氏の動向だけに、注目が集まっている。
トピック:ビットコインのネットワーク、過去最高のノード数を記録
ビットコインネットワークのノード数が初めて1万3000を突破し、過去最高値を更新したことが明らかになった。以前の過去最高の記録は1月に記録した1万1613だった。
ビットコインネットワーク統計サイトのBitnodes.ioのデータにおいて、7月5日にノード数が1万3374を記録。別のサイトCoin.Danceでも、ビットコインのノード数は過去最高の1万2825になっている。
Bitnodeのデータによると、ネットワークノード数は昨年から2739増加しており、ビットコインの分散化の動きを強化している。
まとめ:エルサルバドルなどの、法定通貨が不安定な国の動向に注目
エルサルバドルでは、ビットコインの法定通貨化によって少し混乱しているように見受けられる。
ビットコインを法定通貨として受け入れるだけでも相当大変なのに、なぜ「コロン・ドル」というデジタル通貨を発行するのか。具体的な方針は表明されていないが、おそらくステーブルコインとしてコロン・ドルを普及させて仮想通貨へのハードルを下げることが目的ではないだろうか。ビットコインに関して「決済に向かない」と批判の声が大きかったため、その代替案とも考えられる。とにかく今後も注意して観察する必要がありそうだ。