9月末の下落があったが、10月初旬からじわじわと価格を上げてきたビットコインが急騰を見せた。
この動きの背景には一体何があるのか。
今回は先週のビットコイン高騰の背景にあるアメリカの動きと共に、これまでの米中の動きを振り返っていこうと思う。
先週のBTCチャート(10月04日~10月10日)
こちらは先週のBTCチャートだ。
6日に一気に価格が上がり、7日には5万5000ドル付近へ到達している。
この水準に到達するのは実に5か月ぶりであり、8日夕方時点では日本円にして626万円を記録した。この後も週末まで価格は600万円台をキープしつつ上下を繰り返している。
トピック:ビットコインが5か月ぶりに600万円台に回復、一時626万円を記録
6日22時すぎに、580万円台だった価格が610万円台まで高騰した。その後すぐに600万円台に価格が落ち着き、一旦は590万円台に下ったが8日に入るとまた価格が急騰し、626万円を記録した。そのまま週末まで600万円台を底値として推移している。
この価格高騰の背景にはなにがあったのか、考えられる要因は次のトピックだ。
トピック:米SECが仮想通貨関連株ETFを承認
先日のビットコイン高騰の要因の一つが、SEC(米証券取引委員会)による「Volt Crypto Industry Revolution and Tech ETF」の承認であるといわれている。
同ETFは、ビットコインを保有している場合やマイニングやレンディングなどを中心に行っている企業などに投資を行う性質を持つ。
一方で、SECはビットコインETFの承認に慎重な姿勢を見せており、他の4つのETFの承認を延期している。
今回承認されたETFは承認が延期されたものとは異なり、ビットコイン関連の事業に関わっている企業への純粋な投資にあたる。
しかしこのニュースを受けて、年内にはSECがその他のビットコインETFを承認するのではという憶測が飛び交うこととなった。
こうしたSECの動きに対して投資家たちがビットコインETFに光明を感じたため、今回の高騰につながったという見方ができる。
トピック:ビットコインを取り巻く米中の動きに注目
さて、9月末に急落を見せたビットコインの劇的な回復の背景には、米中の動きがあったことを覚えているだろうか。本項では、一連の流れを振り返りながら最近の米中の動向を追っていく。
9月24日、中国が仮想通貨を全面的に禁止することを発表し、仮想通貨界には大きな激震が走った。
これまでも何度か中国では仮想通貨の禁止が発表されてきたが、今回は「本気」であることから各取引所も対応に追われ、一時ビットコインの価格が急落した。4万5000ドル近辺で推移していた価格はなんと1割も落ちたのだ。これを受けて、9月末までビットコインの価格は低迷。恐怖指数が強くあらわれることになった。
一方で、米SECのゲンスラー委員長は仮想通貨を排除しない姿勢を明確に示した。投資家たちを保護する方向性は、恐怖に包まれる投資家たちに一筋の光を与える。
この発言によって、ビットコイン価格は一旦落ち着くこととなった。そして10月初旬から少しずつ安定を取り戻しつつあったビットコインは、6日に急騰を見せた。
またもやSECの動きに反応したのである。
このように、ビットコインの価格は世界各国の動きに繊細に反応しており、特に米中の動きは今後も気になるところだ。
先週のまとめと今後の見通しの考察
最高値626万円台を記録し、急騰を見せたビットコイン。背景にはSECによる仮想通貨関連株ETFの承認があった。9月末から現在まで米中の動きに敏感に反応を見せてきたビットコイン市場では、今後も2つの国の動向からは目が離せない。特にSECの発言や決定を受けた時に価格がどう動くか、しっかりと見極めていく必要がある。