先週、500万円台を突破し週末まで上昇を続けたビットコイン。
今年に入ってから価格が下落し不安定な状況が続いたが、ここへきて久しぶりにビットコインらしい価格を取り戻している。
今回は、ビットコインの価格が上昇した背景の1つであるロシアの動きと、米FRB・SECそれぞれの意向について紹介していく。
先週のBTCチャート(3月21日~3月27日)
先週のビットコインは、ご覧の通り上昇傾向。22日に500万円台を突破すると、週末に580万円台で着地するまで、上昇を続けた。
24日に急上昇の背景には、ロシアが天然ガスなど輸出に対する決済手段としてビットコインの利用を可能とする用意があることを示唆したことが上げられる。
トピック:ロシア、友好国に対してエネルギー資源の決済手段にビットコインを承認する可能性を示唆
22日に500万円台を突破したビットコインは、520万円台を天井に価格のもみ合いを続けていたが、24日に急騰を見せ、540万円台まで価格を押し上げた。
この急騰の背景には、ロシアのとある発表が関連している。
ロシアは、経済制裁に加わっていない友好国に対して、天然ガスや原油などのエネルギー資源の決済手段にビットコインを承認する可能性があることを示唆した。
これにより、ビットコインの需要と注目度が高まったと見られる。
日本のようにロシアに対する経済制裁に参加している国はビットコインによる決済は認められず、ロシアの法定通貨ルーブルか金での支払いを受け付けるという。
トピック:FRBパウエル議長、デジタル通貨に対する新しいルールの必要性を主張
FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は23日、デジタル通貨に対する新しいルールの必要性を主張した。
今回の発言は、BIS(国際決済銀行)主催の「イノベーション・サミット」におけるものだ。
パウエル議長は、デジタル通貨に関連するDeFi(分散型金融)のようなシステムは、決済システムの効率化とともに活気ある金融環境の形成に寄与するとして肯定したものの、一方である部分では金融そのものを揺るがすリスクを抱えているといった懸念も示した。
その中でも仮想通貨は、マネーロンダリングや違法行為の隠れ蓑になっていることを指摘し、現時点ではまだそういったリスクを排除しきれない体制であることにも言及している。
こうした状況を鑑みて、仮想通貨を禁止する方向ではなく新たなルールを作成することでその良さを生かしていく方向性を示している。
トピック:SEC、取引所の定義変更で承認の可能性が生まれるスポット型ビットコインETF
SEC(米証券取引委員会)は、1日に取引所の定義変更について提案している。
この提案によると、「交換」の定義が拡大されると受け取ることができる。
これにより、仮想通貨取引所がSECの新たな定義に該当することとなり、仮想通貨プラットフォームも証券取引における制限を受けることがなくなると考えられる。
この定義変更が実現された場合、今後1年以内にスポット型ビットコインETFが承認される可能性が生まれるという意見がある。
一方でSECは、今年に入ってからも申請中のビットコインETFの承認を先送りしている。
先送り理由は依然として、仮想通貨が抱えるリスクに対する対処方法を明らかにすべきというものだ。
FRBの動きとともに、SECでも仮想通貨に対する新たな動きが見られている。今後、より柔軟な対応が可能となる未来もそう遠くはなさそうだ。
先週のまとめと今後の見通しの考察
米FRB・SECは共通して仮想通貨の金融におけるリスクを危惧している。
この姿勢は変わらないが、新たなルール作りや定義変更などこれまでにはなかった一歩を踏み出そうとしているように思える。
中国のように仮想通貨そのものを禁止する国もあるが、米はポジティブな方向へ進んでいくことに期待が持てそうだ。
今後は特に、SECの提案がどうなっていくかを注視していく必要がある。