ビットコインは先週、6万ドルに再び到達した。そのひとつの要因として、コンゴで見つかった金脈が影響しているのではないかと言われている。コンゴでのゴールドラッシュにより金相場が崩れると、金相場不安になりその分の資金がビットコインに流れてきたのでは、という見方がある。
先週のBTCチャート(3月8日~3月14日)
こちらが先週のビットコインチャートだ。全体的には上昇トレンドで、週の中ごろには600万円に到達した。週末は660万円ほどで着地した。
トピック:ビットコイン、買われすぎ?
「Puell Multiple」の指標によると、ビットコインが買われすぎの指標に達していることが明らかになった。
「Puell Multiple」とは、デビット・プエル氏が開発した、BTCマイナーが大量にBTCを売却する可能性のある時期を追跡するための指標だ。
この指標がある一定のラインを超えると、ビットコイン価格の最高値とその後の調整と一致する、ということが過去のデータから分かっている。最近のデータはこの一定のラインを超えそうなギリギリのところまで来ている。
ただ、現在は過去の状況とは異なる部分もある。最近は機関投資家が次々とビットコインに参入している。マイナーたちが機関投資家に負けずに市場を押し上げることができるかどうか、という点に関しては未知の世界である。
またStack Fundsによると、「マイナーからのビットコイン流出は2016年以降で最低レベルである」との指摘もある。今後もマイナーからの流出は低調であり、価格はさらに高騰するかもしれないとの見解もある。
トピック: ビットコインは過去のバブルとどう違う?
ビットコインは年々高騰を続けており、勢いを増している。価格が高騰すると、バブルといって持ち上げられ過去のバブルと比較される。ビットコインは過去のバブルと同じなのだろうか?
実際のところ、過去のバブルは一度崩壊するともとに戻ることはなかった。一方で、ビットコインの価格は上昇と下降を繰り返すといった動きだ。
また、ビットコインは技術的なネットワークを駆使して作られている。過去のバブルの、中央銀行の時代とは比較が難しい。
過去の南海会社の株価が高騰した時に起きたような、「内部関係者が資産を議員に賄賂として渡す」「無計画に配当金を準備する」といったことは起きていない。ビットコインは投資家の出資金、または担保付き融資で購入される。現在の暗号資産銀行には融資サービスの提供はあるものの、十分な資本を持ち、融資には十分な担保が付けられている。
ビットコインを歴史的なバブルと比較しても、過去に例がないため完全には参考にはならないだろう。
トピック: 世界で仮想通貨の普及が進む
米ゴールドマン・サックスは、CMEのビットコイン先物以外にも、NDF(ノンデリバラブル・フォワード)という差金決済方式の仮想通貨サービスを提供することを発表した。
ゴールドマン・サックスは顧客の調査で、デジタル資産の保有額が今後より高まると予想している。
仮想通貨の高まりはゴールドマン・サックスだけではない。米決済大手のPayPalは、仮想通貨・デジタル資産のカストディ企業である「Curv」を買収した。また、米大手銀行のJPモルガンチェースは、「ブロックチェーン」の分野での人材の募集を開始した。同社はブロックチェーン技術を利用した次世代決済システムを展開するための募集だ。
このように、仮想通貨の波があちこちで勢いを増している。
まとめ:1週間の動き、長期トレンド交えた今後の展望
先週は、世界中で仮想通貨の普及が進むニュースがたくさんあった。ビットコインは現在バブルだという見方が多いが、過去のバブルとの単純な比較は難しい。新しい通貨・資産の形であるビットコインは、今までの歴史にはないものだ。ビットコインは変動が激しく、刻々と状況は変わり続ける。しっかりと自分の目で見て、確かな判断軸を持つことが重要だ。