チャートを見るとわかる通り、ビットコインは一時的に4万ドル台を下回った。
これは今年でいうと4月初旬以来の安値となる。
背景にあるのは、中国での暗号資産禁止のニュースだ。
今回は中国のニュースを中心に据えながら、他の地域での話題にも一部触れていく。
先週のBTCチャート(9月20日~9月26日)
先週のビットコインチャートだ。
週のはじめから2日間かけて価格が下降していることがわかる。その後、徐々に持ち直して24日には一度495万円台に到達したが、一気に445万円台まで落ちている。
全体的に上値の重い展開が続いた。
トピック:ビットコイン恐怖指数が急落、投資家たちの心理状態が「極度の恐怖状態」へ
投資家たちの心理状態は価格に直に影響を与える。
ビットコイン投資家たちの心理状態はビットコイン恐怖指数という数値で測られ、相場の予想にも充てられている。
先週、その恐怖指数が21を記録した。
0~100まである数値の内、0~30は「極度の恐怖状態」に分類される。
恐怖指数が21まで下がった原因は、先週のビットコイン価格の急落にある。
これの背景にあるのが、中国のニュースだ。
それでは、中国のニュースについて振り返っていこう。
トピック:中国問題で揺れるビットコイン、一時的なものか
24日に445万円台までビットコインの価格が落ちた大きな原因は、中国での仮想通貨禁止のニュースだとみられている。同日ニュースが発表された直後は、ビットコインだけでなくイーサリアムやライトコインも10%前後の値下がりとなっている。
中国当局は、暗号資産の取引及びマイニングを全面的に中止すると発表。
これによって各取引所や関連企業は中国の顧客を切り捨てる方向へ舵を切っている。
今回の発表は「本物」であるとして、各方面で動きが見られているのだ。
というのも、実は中国が暗号資産の禁止を発表するのはこれが初めてではない。
1年に2~3回は同じような発表を行っており、今回で156回目だともいわれている。
2013年から続く暗号資産規制の流れは、果たして今回の発表によって「本物」となるのか。
これまでも同じように中国規制発表の度に値動きを見せてきたビットコインだ。
今回も価格の落ち込みは一時的なもので、次第に戻っていくと予想される。
トピック:米オハイオ州ではビットコインのマイニング事業拡大
中国で暗号資産が規制される一方で、米オハイオ州では暗号資産を後押しする取組も見られている。
香港に拠点を置くマイニング企業のBITMining社は、オハイオ州でのマイニング事業拡大を進めるための契約を締結。
このところ米国内でマイニング事業の拡大に力を入れている同社だが、さらなる大きな一歩となる。
仮想通貨のマイニング事業が広がっていけば、自ずと仮想通貨自体も盛り上がっていく。
中国のニュースとは反対に、仮想通貨を後押しする明るいニュースだ。
先週のまとめと今後の見通しの考察
先週は中国当局の暗号資産全面禁止のニュースを受け、一時的に価格が445万円台まで落ち込んだ。
一時的な価格の急落だという見方が大きいが、週の最後は480万円台にわずか届かないところでとどまっている。
さらにその前は韓国での規制のニュースもあったように、仮想通貨に対する見方がネガティブである国も多く、規制の動きも活発になってきている。
一方で、国をあげて仮想通貨の流通に力を入れているところもあり、二極化が進んでいるようだ。今後もこうした国規模の仮想通貨関連のニュースは常には、注目していく必要があるだろう。