先週はビットコインの大幅な下落を受けて、イーサリアムも低迷を見せた。
しかし最近伸びが続いているソラナやIOSTはその状況下でも、成長を続けている。
こうしたアルトコイン界隈のバブルについて、今後の動きに警告も見られている。
今回は、アルトコインのバブルに触れるトピックと共に、アメリカで難航しているステーブルコイン「ディエム」の動向と、日本での仮想通貨規制に触れていく。
トピック:Facebookの独自トークン「Diem(ディエム)」難航
Facebookの試みとして注目されていた仮想通貨リブラは、リブランディングを経てディエムと名称を変更した。
このディエムの発行に対して、バイデン政権の政策担当者が難色を示している。
ディエム(リブラ)は、2019年に最初の情報が公開されており、そこから米国の規制当局の意見を組み入れて、良い形へと設計変更を重ねている。それから2年経った今も発行に至らないのは、バイデン政権がディエムのような独自のステーブルコインの存在に懸念を示しているからだ。
伝統的金融の破壊を恐れる声や、マネーロンダリングの問題など、様々な観点から待ったがかかっている。
世界共通の通貨を目指すディエムには仮想通貨の理想が詰まっているが、発行までにはまだ時間を要しそうだ。
トピック:仮想通貨界のバブル、今後の急落の警告も
先週はビットコインの価格が急落したことを受けて、イーサリアムも低迷し仮想通貨全体が落ち込んだ。
しかしその直前の、6日には仮想通貨市場が4か月ぶりの高値をたたき出している。
特に大きな動きを見せているのが、イーサリアムキラーが注目を集める中で一気に頭角をあらわしたソラナである。
過去最高の164.47ドルを記録するとともに、Google検索数でも過去最高数に到達している。
IOSTも注目を集めているアルトコインだ。
国内では、総合格闘家として人気の朝倉未来が投資し大きな利益をもたらしたコインとして、多くの人に知られることになった。
あらゆるアルトコインが伸びを見せていく中、JPモルガのアナリストはこの状況をバブルと見て、この後の起きるであろうトレンドの下降について警告を示している。
なお今年の動向としては、1月と5月にバブルが発生しその後弾けてそれぞれ約13%と50%の下落を見せている。
これに倣うと、この後の急落も目に見えると言える。
トピック:金融庁が2021年度の金融行政方針を発表、NFTやIEOにも言及
NFTやアルトコインなど、盛り上がりを見せる仮想通貨だが、世界各国では規制が強化される動きも見られている。
アメリカでは、ステーブルコインが伝統的金融を脅かすのではという懸念が示されており、正式調査の実施について議論が繰り広げられている。
日本でも仮想通貨に対しては慎重な姿勢を見せている。
発表された2021年度の金融行政方針の中では、NFTやIEOにも触れられており、かくあるべきというモデルについても検討していくとのことだ。
また、仮想通貨業者に関しては安全かつ迅速に取引所がライセンスを取得できるようにしていくことを示している。
大きな盛り上がりを見せているからこそ、専門的な規制を整備しコロナ後の経済の後押しにつなげていきたいとの考えだ。
先週のまとめと今後の見通しの考察
アルトコインの現在の盛り上がりをバブルと見ると、今後バブルがはじけて急落する可能性も否めない。
今年は1月と5月に同様動きがあり、どちらも価格が急落している。
こうした仮想通貨の盛り上がりに対して、世界各国は規制を強化する動きも見せている。
アメリカではステーブルコインに関する議論、日本では金融庁が2021年度の規制方針と、それぞれ仮想通貨の問題点に対しても慎重である。
一方で、コロナ禍の経済悪化の改善を期待する見方もあり、各国の動きにはこれからも注目していきたい。