ビットコインは10月最終週に300万円台を突破して以来、11月に入っても価格を維持し良い傾向を見せている。
先週は10月の米国雇用統計の発表もあったが、株価の上昇に伴ってビットコイン価格も上昇。終末も300万円台を維持して着地する結果となった。
今回は、米国雇用統計発表による動きを中心に、他2つのトピックをお伝えする。
先週のBTCチャート(10月31日~11月6日)
10月最終週で300万円台を突破し、維持して迎えた11月1週目。
下落傾向からスタートし、3日に300万円台を一時切るも、その後価格を持ち直す形となった。
4日を迎えると上昇傾向へ移行し、5日には314万円のラインを超える結果に。終末に向けやや価格を落とすも、312万円ラインで揉み合いを続け大台を維持した。(注:本稿公開時にはすでに大幅に反落)
トピック:10月米雇用統計発表で株価急上昇に伴いビットコインも上昇
10月の米雇用統計が発表された。26万1,000人もの雇用の追加に成功。一方、失業率は3.7%に上昇し、市場予想を上回る結果となった。
発表を受けて、株価は急上昇。引きずられるようにビットコイン価格も24時間で4.8%もの上昇となった。雇用と失業両方の数が増えたことで、FRBの利上げ加速が落ち着くのではという見方も出てきている。
トピック:2022年はマイニング氷河期、財務状況悪化の企業が相次ぐ
2022年も残り1ヶ月と少しになったが、ようやくビットコイン価格が300万円台で落ち着きを見せてきている。
年初から不調が続いたビットコインをはじめとする仮想通貨の状況は、関連企業にも大きな打撃を与えた。
特にビットコインマイニング事業を中心に行うマイニング企業は、財務状況の悪化が相次いでいる。破産や債券不履行に陥る企業も出てきている状況だ。
昨年は仮想通貨市場が大盛況とあって、機会に常時マイニング事業を急拡大させた企業も多い。
マイニング機器を大量に導入し、事務所や倉庫も建設した。それでも、余りあるほどの収益を得ていたのだ。
しかし今年はそうはいかない。立ち行かなくなったマイニング企業によって売られているマイニング機器の価格は下がり、今や昨年の約1/5程度になっている。
世界最大級と呼び声高いマイニング起業コア・サイエンティフィックでさえ、支払いが滞る可能性について明らかにしている。価格を持ち直しつつあるビットコインを前に、支えるマイニング企業は後がない状況である。
トピック:仮想通貨全面禁止の中国国内に大量の仮想通貨の可能性
中国は昨年仮通貨全面禁止を謳い、国内ではデジタル人民元を中心として経済施策を展開している。
そんな中国国内には、ビットコイン保有起業世界1位のマイクロストラテジーを超えるビットコインが眠っていることが示唆されている。
中国国内で押収されたビットコインが大量に保有されている可能性があるというのだ。
実際のところ、仮想通貨として残っているかは不明だが、もしも仮想通貨として保有されており法定通貨に交換されることが起きると、市場は大きく動くだろう。
先週のまとめと今後の見通しの考察
先週は一時価格の下落が起きたものの、300万円台を超えて価格の維持に成功したビットコイン。
年初からの長い冬が明ける兆しを感じる。
ただし、FRBによる利上げの動向によってはまた価格が落ちる可能性もあるため、楽観はできないところだ。