先週は、仮想通貨も含めた金融市場だけでなく世界中がウクライナ情勢から目が離せなかったにちがいない。そして今もその状態は続いている。
今回は、ロシアの軍事侵攻による法定通貨の下落に対して平等に救いをもたらすビットコインの動向と、メキシコのビットコイン法定通貨化についてお伝えしていく。
先週のBTCチャート(2月21日~2月27日)
先週は、440万円台からスタートしたビットコイン。21日は順調に価格を戻していたが、途中から乱高下が始まった。
22日には420万円台まで下落。一度は440万円台まで回復したものの、24日には400万円台を切る暴落を見せた。原因はロシアによるウクライナへの軍事侵攻だ。
暴落した価格は25日に入るまでに回復し、もみ合いを続けながらも450万円前後で推移している。
トピック:ロシアによる軍事侵攻でビットコイン暴落、各国の経済制裁にも仮想通貨が救いの手
24日、ロシアはウクライナへの侵攻を始め、金融市場に大きな影響を与えた。
ビットコインは一気に400万円台を切るところまで暴落したが、価格自体は25日を迎える前に回復し、週頭の440万円台まで戻ることとなった。
投資家たちにとっては、今回の暴落が大きな買いのチャンスとなったのだろう。
強行に出たロシアに対して各国は、SWIFT排除という経済制裁を選択し、日本もこれに同調した。
しかし、ビットコインを始めとする仮想通貨が大体手段となることで、小規模レベルではあるがSWIFT排除によるダメージの軽減につながるという。仮想通貨はロシアにも救いの手を差し伸べるようだ。
トピック:ビットコインに集まる期待、ウクライナで取引だが3倍以上を記録
24日暴落したビットコインだったが、ウクライナの仮想通貨取引所では翌日取引高が急増する事態が起きた。
ロシアによる侵攻開始直後、両国の法定通貨であるルーブル(ロシア)とグリブナ(ウクライナ)も大幅に下落を見せた。これに代わる通貨として注目を集めたのがビットコインだ。
特にウクライナでは、ビットコインを始めとする仮想通貨による寄付が急増している。21日時点でその額はなんと、日本円にして21億円を超えているのだ。
現地では既に、グリブナの引き出し制限がかかったことで多くの市民が困惑している。このため、非常時でも国際間送金を可能とする仮想通貨に注目が集まるのだ。
トピック:ビットコイン法定通貨化、今度はメキシコで
昨年ビットコインを法定通貨と認めたエルサルバドルは、今年に入ってIMF(国際通貨基金)から見直すよう指摘されていた。
国際的に見ても仮想通貨に対して規制を強める動きが見られる中で、今度はメキシコがビットコインを法定通貨として採用する法案の提出を予定している。
メキシコのIndira Kempis議員が、同法案の提出の主導者だ。彼女はビットコインを法定通貨にすることで、新たな金融システムが加わり、既存の金融システムに広がりを持たせることができると考えている。
これによって、ファイナンシャル・インクルージョンの拡大を目指すのだ。今まさに、ロシアとウクライナの中で起きている仮想通貨の台頭が、同取り組みの未来かもしれない。
先週のまとめと今後の見通しの考察
先週は、世界中がウクライナ情勢の話題で持ちきりだった。
軍事侵攻の影響は世界中のあらゆる分野へ波及しており、仮想通貨も例外ではない。
ただ、この非常時の中で仮想通貨は新たな金融システムとして再び光を放ち始めている。
現に、ロシアもウクライナもビットコインが救いとなっているのだ。これが、仮想通貨が誕生した本来の意義であり目指すところである。
しかし、一刻も早く戦闘が終わり人々が日常を取り戻すことこそが、一番の救いであることには変わりない。