突如100万円以上も価格が下落したビットコイン。今回の下落は予期せぬトラブルによるものだという見方が強い。
全体的に価格を落とした仮想通貨市場だが、活発なニュースは尽きない。
今回はビットコインETF関連の話題を2つと日本でビットコインが貯まるクレジットカードが登場したという面白いニュースに触れていく。
先週のBTCチャート(11月29日~12月5日)
先週のビットコインチャートを見ると、3日の後半までは600~660万円台でもみ合いを続けていたが、突如価格が急落したことがわかる。価格は一時500万円台まで落ち込み、アルトコインなどにも大きな影響を与えた。
実はこの時中国のある地域で停電が起きたのだが、そこにちょうど拠点を置いていた大きなマイニング企業も影響を受け、採掘速度が落ちたことが原因の一つだと予想されている。
トピック: フィリディがカナダで現物ビットコインETFをローンチ
フィデリティ・イベンスメンツは歴史ある世界有数の投資信託関連会社だ。同社のカナダ支部であるフィデリティ・カナダは、2日にビットコインETFを正式にローンチした。
以前より伝えているように、アメリカでは現物ビットコインETFの承認が延期されており、その道はまだ険しい。一方でカナダは、アメリカよりも早い今年の3月には先物ビットコインETFの承認を通し、次いでイーサリアムETFも承認しているという実績がある。
そこへ今回の現物ビットコインETFの承認となり、アメリカよりも仮想通貨関連の整備が進んでいるといえる。フィデリティもこの状況を受けて、敢えてカナダで現物ビットコインETFのローンチを決めたのだろう。これについて今年の11月に既に仮目論見書が提出されていた。
今回フィデリティ・カナダがローンチした現物ETFは「Fidelity Advantage Bitcoin ETF」という名称で、トロント証券取引所に上場している。
トピック:アメリカでは2回目の非承認、SECがウィズダムツリーの現物ビットコインETFを却下
カナダでは現物ビットコインETFが無事にローンチした一方で、アメリカはやはり非承認が続いている。先月ヴァンエックの申請について承認が延期されたばかりだったが、今回はウィズダムツリーの申請も非承認となった。
承認しなかった理由は前回同様、現物ビットコインETFがまだ投資家たちの安全を保障できる段階にないというものだ。これで年内にアメリカでビットコイン現物ETFが承認されることはなくなったといえるだろう。
一方でウィズダムツリーは、ユーロ圏で「Crypto Mega Cap Equal Weight ETP(MEGA)」というETPのローンチを成功させている。ユーロ圏は仮想通貨ETP(ETFを含む金融商品の総称)の取引が活発で、既に現物ETFも多数取り扱われている。カナダ、ユーロ圏と比べるとアメリカは現物ETFに対してかなりの慎重姿勢で、悪く言えば遅れている状況だ。
トピック: bitFlyerが日本初「ビットコインが貯まる」クレジットカードの発行を決定
国内では面白いニュースが続く。
大手仮想通貨取引所のbitFlyerは、日本で初めてビットコインがポイントとして貯まるクレジットカードを発行すると発表した。通常の買い物でビットコインが貯まるため、通貨の購入に不安を感じがちな新規ユーザーがお試し感覚で参入することができるようになる。カードは「スタンダード」と「プラチナ」の2種類で、それぞれポイント還元率は0.5%、1.0%となっている。ただし、プラチナカードは2年目から年会費が発生する。
また、マネックスクリプトバンクもビットコイン関連のカードの発行を発表した。「マネックス・クリプト・ギフト」と呼ばれるカードは、仮想通貨を第三者に贈ることができるものだ。図書カードの仮想通貨版と言えばわかりやすいだろう。
カードで贈られた通貨はオフラインで管理できるウォレットとなっているのも興味深いポイントの一つだ。
先週のまとめと今後の見通しの考察
ビットコインが思わぬアクシデントで大幅に価格を下げたことは非常に大きな痛手だった。アルトコインも影響を受け、軒並み価格が下落している。
11月はビットコインが史上最高値を更新したこともあり、仮想通貨界隈は大いに盛り上がった。このため、国内では新規ユーザーを取り込むため、仮想通貨の怪しげなイメージを払拭しながら敷居を下げるサービスの展開が続いている。
しかし12月はネガティブなスタートを切った。年末に向けてどのように価格が動いていくか、まだ予想が難しいところだ。