Vtuber×NFT事業によって日本の未認知層へNFTが広がるか、期待と懸念

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昨年に入って大きなブームを起こしたNFT。

以来、様々な事業が起ち上がり、連日ニュースとなっている。

NFT界隈は大盛り上がり…と捉えることができる反面、この状況を認知していない層があることも事実だ。

世界全体を見るとNFTに注目し求める人は多数存在するように見えるが、国内ではまだそれほどでもないと言えるだろう。

今回は、日本の新たな産業として躍進するVtuber産業とNFT事業の掛け合いから、日本でNFTの認知度が高まる可能性への期待と懸念について考察していく。

Vtuber×NFT事業が続々と発表

NFTが流行し始めた頃から、Vtuber×NFT事業は多くの企業が目を付けている。

2021年3月、NFTゲーム「クリプトスペルズ」やNFTマーケット「NFTstudio」を手掛けるCryptoGames社がVtuber事務所と契約してVtuberのイラストをNFT化して販売するという事業を開始した。販売はイラストに留まらず、VtuberがYouTube LIVE内で描き下ろしたイラストを獲得する権利などがNFT化されている。

また元祖Vtuberキズナアイも、クリプトアートプロジェクト「Metaani」とコラボしてNFT販売を行っている。同作品は現在もOpenseaで販売中だ。

最近大きくニュースとなったのは、microverseが展開する事業だ。同社も今年3月にはVtuber×NFT事業を実施すると発表しており、4日には5000万円の資金調達成功を示している。

販売するNFTの内容や事業に関わるVtuberについてはまだ明言されておらず、今後の発表が待たれる状態だ。

元祖日本、Vtuberとは一体なにか

バーチャルYouTuber、通称Vtuberは2016年日本で生まれた。今も根強い人気を誇るキズナアイこそ、Vtuberの元祖である。

モーションキャプチャと呼ばれるセンサーを装着することで、画面の向こうにいる人間の動きがバーチャルキャラクターに投影されるしくみとなっており、個人から事務所所属まで様々なVtuberが存在している。

その数は日本だけで16000人を突破しており、今後も増えていくことが予想できるだろう。YouTubeでのスーパーチャット(投げ銭機能)ランキングでも、Vtuberが上位を占めている状況だ。

このランキングはPLAYBOARDによるもので、リアルタイムのデータを見ることができる。

Vtuber人気は日本に留まるものではない。その人気は既に海外へも波及し、日本の事務所の海外展開も広がってきており、産業として拡大している。

Vtuber×NFT事業は未認知層を獲得できるか

Vtuberファンは必ずしもNFTやメタバースといった領域に興味がある層ではない。

その存在を知らずに過ごしている人の方が多いかもしれないほどである。

しかし一度、ファンが多いVtuberがNFTを発行したどうなるだろう?

ファンたちはNFTとは何かを知り、こぞって求めるようになる。Vtuberが誕生する以前より、いわゆるオタク文化とはそういうものである。

オタクたちは自分の愛する作品やアイドルたちのグッズを求め、コレクションすることが大切な趣味なのだ。

Vtuber×NFTは、こうした新たなファン層の獲得に狙いを定めている。

ただし、一つ考えなければならないことがある。

例えば先ほど紹介したキズナアイとMetaaniのコラボによるNFT販売だ。このプロジェクトでは、メタバース「メタアニランド」で利用できるアバターのキズナアイバージョンを販売している。

200体されたアバターは、まだ販売が続いている状況だ。販売は昨年の9月からスタートしており、その頃は特にNFTが知られ始めて爆発的なブームが起きようとしていた頃だ。

現状を見ると、いかに日本でのNFTやメタバースの認知度が低いかを思い知らされる。

つまりファン層はまだNFTやメタバースについて理解を深めておらず、そして恐らく購入方法に疑問や不安を感じている段階にあると考えられる。Vtuber×NFT事業を成功させるためには、こうした点に注目し獲得したい層の認知度をより高める手立てを講じる必要があるだろう。

国内でNFT産業が浸透するには、現段階で様々な壁が残されているといえる。

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