先週は、引き続きNFTの開発が進んだり分散型ストリーミング銘柄のThetaが時価総額9位に浮上したりするなど、要チェックのトピックがいくつか見られた。
トピック: バイナンス、ネムの新チェーンSymbolのトークンXYMを配布
大手仮想通貨取引所バイナンスは3月23日、ネムの大型アップデートで誕生した新チェーンSymbolのネイティブトークン「XYM」の配布を完了した。なお、ネムの大型アップデートは3月17日に行われている。
スナップショット時にXEMをバイナンスに預け入れたユーザーに対して、預け入れたXEMと同額のXYMが配布されている。(1XEM=1XYM)
配布時に価格は70円前後を記録。そのためこのタイミングで売り抜けた人は単純に資産が倍になった計算だ。
トピック:ENJがゲーム特化型SNSと提携、NFTに躍進
NFTのエコシステム開発に取り組むEnjin(エンジン)が韓国のゲーム特化型SNS開発企業Ludena Protocolと提携を発表した。今回の提携に先立ち、Enjinは「二酸化炭素を排出しない新規NFT発行」などカーボンニュートラルな社会を目指した計画を公表している。
というのも、あまり知られていないが仮想通貨はマイニングなどにより莫大なコンピューターの電力を消費し、それが多くの二酸化炭素を排出している。仮想通貨によるエネルギー消費量は全世界の約0.4%を占めており、二酸化炭素の排出量は化石燃料を使用する大企業と同程度の水準だ。仮想通貨が高騰するにつれて、意外と深刻になっているのがこのような環境問題なのである。
しかし今回のEnjinの提携で、ガス代削減ソリューションなど、エネルギー効率が良く環境に優しいNFT専用のクロスチェーンの開発が進められている。
Enjinはコインチェックでも上場を果たしており、初期の金額から10倍に上がった注目のコインだ。今後は仮想通貨RMT対応ゲームが生まれるのではないかと個人的には予想している。
トピック:Thetaが時価総額9位に浮上
分散型ストリーミング関連銘柄Thetaが、時価総額ランキングで9位に急浮上。1年前の2020年3月は時価総額78位だった。
Theta Networkは動画配信プラットフォームを提供し、様々なコンテンツを配信している。ネットワークを維持するためにThetaトークンをノードにステーキングするというPoS系の仕組みを持っている。
好調の背景は以下の要因が考えられる。
まず、Sierra Ventures、Heuristic Capital、VR Fund、GFR Fundの4つのファンドが合計で100億相当のThetaをステーキングしていること。また、LINEブロックチェーン上で日本向けに配信提供を開始したこと。加えて2月末には米大手仮想通貨投資企業グレースケールがThetaを含む23銘柄の仮想通貨投資信託を検討していると発表。さらにThetaは「メインネット3.0」のローンチも控えている。
様々な要因が重なって価格急騰したTheta。特にファンドが事前に投資をしていて、織り込み済みの上昇のように見えるところもポイントだ。今後も同じような材料のコインが上がってくるかもしれない。他にも同様のコインがあるので、目を光らせておこう。
まとめ:1週間の動き、長期トレンド交えた今後の展望
先週はThetaなど、アルトコインの中でも比較的馴染みの薄いコインの活躍が目立った。イーサリアムのような主力のコインももちろん重要だが、今後は下から追い上げてくるコインも増えるかもしれない。環境に優しいNFTにも注目である。