BTC・ETHのテクニカル分析事例|過去チャートからみるテクニカル分析の有用性

BTCテクニカル分析の例 クリプト全般知識
クリプト全般知識

仮想通貨をはじめ、株やFXの取引ではテクニカル分析を用いる投資家も多い。今回は、ビットコインとイーサリアムでテクニカル分析を活用した事例を紹介する。

本記事を読めば、テクニカル分析の有用性が分かるほか、指標の活用方法への理解も深まるだろう。ぜひ最後まで読んで、テクニカル分析の活用法を自身のものにしてほしい。

ビットコイン(BTC)のテクニカル分析事例

ここでは、ビットコインのテクニカル分析の事例を紹介している。紹介するテクニカル指標は以下の通りだ。

・ゴールデンクロス、デッドクロス
・RSI
・RCI
・MACD

それぞれ詳しく見ていこう。

ゴールデンクロス・デッドクロス

まずゴールデンクロス・デッドクロスが登場した事例を紹介する。

ゴールデンクロス

以下は、2021年7月28日16:45頃にゴールデンクロスが登場した際のチャートである。移動平均線の種類は以下の通りだ。

青色:短期
赤色:中期
緑色:長期

BTCテクニカル分析(ゴールデンクロス事例)

短期移動平均線が、長期移動平均線を下から上に突き抜けていることが分かる。このゴールデンクロスが登場すると、直近の価格が上向きに転じたと見られるため、「買いサイン」と判断できる。

デッドクロス

下記は、2021年7月28日15:15頃にデッドクロスが登場した際のチャートだ。

BTCテクニカル分析(デッドクロス事例)

短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜けていることが分かる。デッドクロスが登場すると、直近の価格が下向きに転じたと見られるため、「売りサイン」と判断することができる。

ゴールデンクロス・デッドクロスは、価格が比較的大きく変動する時に登場することが多い。実際に上記のチャートでも、デッドクロスの後価格が大きく下落している。

ゴールデンクロス・デッドクロスは「買いか売りか」を判断する際に手軽に使える手法であると言えるだろう。

RSI

次に、RSIの活用事例を紹介する。以下のチャートは、先ほどデッドクロスが登場した際のものである。

BTCテクニカル分析(RSI事例)

RSIは0%~100%の間で推移し、パーセンテージが大きいほど上昇分の値幅が大きく直近の相場が強いことを示す。一方で、パーセンテージが小さいほど相場は弱いと判断される。

一般的に、RSIが70%~80%を超えると「買われすぎ」、20%~30%を切ると「売られすぎ」とみなされる。

上記のチャートのピンク色の丸で囲んだ部分は、RSIが20%を切っている。つまり、デッドクロスの「売りサイン」が出て実際に売りに出たトレーダーが多く、それがRSIの「売られすぎ」に数字として反映されているのだ。

RSIはトレンド系指標であるゴールデンクロス・デッドクロスと併用すると、相場の動きがより可視化される。

RCI

以下のチャートは、RCIを表示させたものだ。

BTCテクニカル分析(RCI事例)

RCIは売買のタイミングを判断するのに役立つ手法であり、見方は以下の2パターンある。

RCIの向きを見る

RCIが底値圏で上がり始めたら「買いサイン」と判断できる。天井圏では下がり始めたら「売りサイン」と判断。

RCIの範囲を見る

RCIが底値圏で上がり始めて-80%を超えたら「買い」と判断。天井圏で下がり始めて80%を下回ったら「売り」と判断する。

上記のチャートのピンク色で囲んだ部分は、先ほどのデッドクロスが登場した直後の部分である。デッドクロスで価格が大きく下落し「売り」に転じた後、RCIで価格が上がり始めたため「買いサイン」が発生した。

また、青色で囲んだ部分は先ほどのゴールデンクロスが登場した直後の部分である。ゴールデンクロスで直近の価格が上昇し「買い」に転じた後、やや下落したためRCIで「売りサイン」が発生している。

MACD

下記のチャートは、MACDを表示したものだ。

BTCテクニカル分析(MACD事例)

MACDはトレンド分析とオシレーター分析の両面を兼ね備えた手法であり、初心者の方でも使いやすいのが特徴である。

ここでは、「買いサイン」「売りサイン」が登場した事例を紹介する。

上記のチャートのピンク色で囲んだ部分は、デッドクロスが発生した直後の部分である。青線は「MACD」、オレンジ線は「MACDシグナル」を示している。

マイナス圏で、MACDラインがMACDシグナルを下から上に突き抜けている。これはゴールデンクロスが発生しているため、「買いサイン」と判断することができる。

反対に、青色で囲んだ部分はMACDラインがMACDシグナルを上から下に突き抜けている。つまり、デッドクロスが発生しているので、「売りサイン」と判断することが可能だ。

イーサリアム(ETH)のテクニカル分析事例

続いて、イーサリアムでのテクニカル分析を活用した事例を紹介する。紹介する指標はビットコインと同じく、以下のものだ。

・ゴールデンクロス、デッドクロス
・RSI
・RCI
・MACD

ゴールデンクロス・デッドクロス

ゴールデンクロス

下記のチャートは、イーサリアムでゴールデンクロスが発生した際のものだ。ビットコイン同様、移動平均線の種類は以下の通りである。

青色:短期
赤色:中期
緑色:長期

ETHテクニカル分析(ゴールデンクロス事例)

上記のチャートのピンク色で囲んだ部分では、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜けている。つまりゴールデンクロスが発生しているので、「買いサイン」と見なすことができる。

デッドクロス

下記のチャートは、イーサリアムでデッドクロスが登場した際のものだ。

ETHテクニカル分析(デッドクロス事例)

ピンク色で囲んだ部分では、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜けている。つまりデッドクロスが発生しているため、「売りサイン」と判断できる。

RSI

次に、イーサリアムにおけるRSIを活用した事例を紹介する。

ETHテクニカル分析(RSI事例)

上記のチャートのピンク色の部分は、先ほどデッドクロスが発生した直後のものである。デッドクロスが発生し「売りサイン」が出てトレーダーは実際に売りに転じた。するとRSIの値が30%を下回り、「売られすぎ」という状況をチャートに反映したと見なすことができる。

青色の「買われすぎ」の部分も同様だ。こちらも先ほどゴールデンクロスが発生した直後のものであり、「買いサイン」が発生したためにトレーダーは買いに走った。そのためRSIで「買われすぎ」という状況が反映された。

RCI

次に、RCIの活用事例である。

ETHテクニカル分析(RCI事例)

上記のチャートのピンク色で囲んだ部分は、先ほどのデッドクロスが登場した直後の部分である。デッドクロスで価格が大きく下落し「売り」に転じた後、RCIで価格が上がり始めたため「買いサイン」が発生した。

また、青色で囲んだ部分は先ほどのゴールデンクロスが登場した直後の部分である。ゴールデンクロスで直近の価格が上昇し「買い」に転じた後、やや下落したためRCIで「売りサイン」が発生している。

MACD

最後に、MACDを活用した事例を紹介する。

ETHテクニカル分析(MACD事例)

ピンク色で囲んだ部分では、マイナス圏でMACDラインがMACDシグナルを下から上に突き抜けている。ここでゴールデンクロスが発生しているため、「買いサイン」と判断することができる。

反対に、青色で囲んだ部分は、MACDラインがMACDシグナルを上から下に突き抜けている。つまり、デッドクロスが発生しているので、「売りサイン」と判断することが可能だ。

先ほど紹介したRCIの指標とも一致し、一貫性があることが分かる。

過去チャートからみるテクニカル分析の有用性

ここまでBTC・ETHのテクニカル分析事例を紹介してきた。紹介したテクニカル指標をひとつひとつ丁寧に見ていくと、トレーダーの動きがしっかりと反映されていたことが分かった。

特にRSIやRCIはゴールデンクロス・デッドクロスとの関連性が強いので、合わせて活用すると値動きの理解が深まる。

価格だけをただ追うのではなくテクニカル分析も活用すると、相場の方向性や温度感も把握することが可能だ。相場参加者の心理をデータ化しているのが仮想通貨のチャートである。テクニック指標を用いて参加者の心理を読み解くと、今後の値動きの際の手掛かりになることも多い。

また、テクニカル分析自体が価格を動かす要因にもなりえる。ぜひ有効活用してみてはいかがだろうか。

ビットコイン・イーサリアムのテクニカル分析事例まとめ

今回は、テクニカル分析を活用事例とその有用性を解説した。テクニカル分析は相場の状況を的確に捉えてデータ化しているため、価格変動のパターンを理解できる。

これまでに紹介した、トレンド分析やオシレーター分析、フォーメーション分析の紹介記事も参考にしながらテクニカル分析を自身の取引に役立ててほしい。

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