先週もテラ・ショックの影響から回復できなかったアルトコイン市場。しばらくこの低迷は続きそうだ。
大きな打撃の原因となったテラは復興プランの投票を終え、各取引所を通して対応に追われている。
今回は、テラのその後の動きについて少し触れながら、国内外で見られる取引所の事業拡大の動きについて紹介してく。
トピック:SBI VCトレードが新サービスを提供、6月22日から
大手証券SBIグループが提供するSBI VCトレードが、6月22日より新たに取引所サービスを提供することが発表された。
取引所サービスを使って行われるのは現物取引で、サービス提供に伴って取引所手数料としてメイカー・テイカー手数料が設定される。
特に大きな注目を集めているのが、メイカー手数料をマイナス手数料として設定するという部分だ。
国内取引所でマイナス手数料を定めている取引所は少ないため、利用者が急増しそうだ。
SBIホールディングスは、取引所を運営するビットポイントジャパンの子会社化を5月12日に発表。
昨年にはNFTマーケットプレイスも買収するなど、大手証券の力を発揮し着々と仮想通貨分野でも手を広げている。
トピック:イタリアでもライセンス取得、バイナンス
昨年末より、世界各所でライセンス取得に乗り出しているバイナンスが、またもやヨーロッパにてライセンス取得を達成した。
27日バイナンスは、イタリアの規制機関OAM(Organismo Agenti e Mediatori)にて、ライセンス登録をしたことを発表。
今回のライセンス取得によって、さらにヨーロッパでの事業転換が容易になる。
これまでにバイナンスは、ヨーロッパにおいてフランス・ドイツでもライセンスを取得している。
バイナンスがライセンス取得に舵を切ってからまだ機関が浅いが、破竹の勢いだ。
今年に入ってヨーロッパや中東を中心に手を伸ばしているが、日本に及ぶのか楽しみである。
トピック:大手取引所FTXで新LUNAのエアドロップ実施を発表
仮想通貨界に大きな激震を与えたLUNA(テラ)に関して、大手取引所FTXが新通貨をエアドロップすることを発表した。
今回のFTXの動きの前に、テラによる復興プランの発表があった。
復興プランにて、27日よりLUNAの新通貨にあたるLUNA2.0をエアドロップするとのことだった。
LUNA2.0は、従来のLUNAとは大きく異なりステーブルコインと関連性のない新しいチェーンによって発行される。
そして、従来のLUNA(新たにテラクラシックに区分)とUST保有者・アプリ開発者に対して、エアドロップを行うという筋書きだ。
テラの復興案を受けてFTXはエアドロップの詳細を発表したが、対象者への入出金タイミングについてはまだ告知をしていない。
これにより、テラ・ショックの痛みがどこまで癒えるのか気になるところだ。
先週のまとめと今後の見通しの考察
テラ・ショックの影響から、アルトコイン市場もまだ回復に至っていない。
ショック以前の価格帯に戻ることはしばらく想像もできない程落ち込んでいる状況だ。
こうした中でも、世界では仮想通貨関連事業が活発化している。
特に大手バイナンスは、各国でライセンスを取得し着々と事業拡大を進めている。
国内ではSBI VCトレードがどんどん力をつけてきており、今後の取組にも注目が集まっている。