昨年と比べると大幅に下落した仮想通貨市場ではあるが、取引所はそれぞれの伸長に向けて独自のサービス展開やライセンス取得に力を注いでいる。
今回は国内取引所OKCoin japanと海外取引所バイナンスの動きについて紹介していく。そして、この状況下で仮想通貨に前向きな姿勢を見せているロシア政府の新たな動きについても触れていく。
トピック：ロシア、証券取引所内に仮想通貨市場を設置か
ウクライナ侵攻を続けるロシアは、モスクワ証券取引所の中に仮想通貨市場を設置する可能性があることが明らかになった。
ロシア下院金融市場委員会のアナトリー・アクサーコフ委員長は、7日に行われた会見でその旨を示している。
下院金融市場員会は、仮想通貨に対して前向きな取り組みを推し進める姿勢をとっている。一方で、ロシア中銀は仮想通貨に対して全面的な禁止を求めている。
このように、ロシア国内でも仮想通貨に対する意見の食い違いが見られ、見解が示されるものの前に進むには障壁がある。
今後、中銀とどういった折り合いをつけるかで、ロシア国内での仮想通貨の扱い方が明確化されるだろう。ただし今年2月時点で一度仮想通貨規制案の合意を逃しているので、先は長そうだ。
トピック：期間限定で高報酬を得られる「Flash Deals（フラッシュディール）」がスタート、OKCoin Jaoan
国内大手取引所OKCoin japanで新たな「Flash Deals」というサービスが提供開始された。
Flash Dealsは、対象となる仮想通貨を受付期間中に数量指定で申し込むことによって参加でき、高い報酬を得られる新サービスだ。
今回対象となる通貨はTRX（トロン）で、保有しているTRXでキャンペーンに参加することで、年率188％の報酬を得ることができる。
たったの7日間のキャンペーンに参加することで、188％の報酬を得られる点は、レンディングとは一味違うサービスだ。なお、最小申込数量は3000TRXとなっており、上限は30000TRX。
同サービスは今後も不定期で開催される予定だ。長期保有している通貨が対象となれば、参加しない手はない。
トピック：バイナンスがまたもやライセンス取得、スペインで
大手仮想通貨取引所バイナンスは、8日スペインでのライセンス取得を明らかにした。スペイン銀行から付与されたVASP（仮想通貨サービス提供者）ライセンスによって、バイナンスは正規にスペイン国内で仮想通貨交換サービスや決済サービスの提供が可能となった。
バイナンスは昨年半ばより、日本をはじめとする各国からの金融当局より度重なる警告を受け、報道されていた。
これを受けて、国の認可を受けてサービスを提供するように企業の方針を転換した。今年に入ってからは、スペインを含めヨーロッパで3か国のライセンスを取得。
また中東にも力を入れ、ライセンス取得に尽力している。
このような方向転換によって、バイナンスは信頼度の高い取引所へ一気にイメージアップが進んでいる。
先週のまとめと今後の見通しの考察
大きな下落を見せる仮想通貨市場を鑑みて、規制を強化する動きを見せる国もある中、ロシア政府は仮想通貨に対して好意的な姿勢を見せている。
ただし、ロシア中銀が仮想通貨に対して後ろ向きな姿勢を取っているため、今すぐに仮想通貨で国を盛り立てることができるわけではない。仮想通貨についてはこのように、現在も国内で賛否両論分かれる状況が続いているのだ。
こうした状況の中でも、仮想通貨取引所は独自のサービスを展開したりライセンスを取得したりして、今後に備えていることが窺える。