仮想通貨暴落でNFTも大打撃、巻き返しを信じるも不安な市況感

NFTの不安要素 NFT情報
NFT情報

LUNA(テラ)ショック以降、様々な要因を背景として下落傾向から抜け出せないビットコイン。

もちろんアルトコインにも余波は広がり、仮想通貨市場は大暴落を見せている。

このような中で、アルトコインを発行するチェーンを基盤とするNFTもまた、大きな打撃を受けていることは言うまでもない。

本記事では、NFTが現在どのような影響を受けているか事例を紹介しながら、今後の展望について考察していく。

ETH暴落でNFTを利用した不動産に暗い影

6月7日、米不動産会社であるオカダ&カンパニーは、NFTを活用した物件の販売をOpenseaに公開した。

NFTを購入することで、物件の使用権と契約関連の書類を取得できる権利を付与。

まさにNFTが持つ特性を生かした、新たな不動産売買の手法である。これを実践した。

当初、価格は5,000ETHで出品し、当時レートで約2,870万ドルでのスタートとなった。元々、出品した物件は1,625万ドルで売買されたものなので、当時価格・レートのままでいくと1,245万ドルの利益となる。

ところが、実際はどうなっているだろうか?

ETHは出品当初よりも40%以上の下落を見せ、一時は、1ETH=1,000ドルを切る事態となった。

当然連動して物件価格も暴落、出品価格の調整を余儀なくされた。

雪崩のような下落は19日まで続き、現在は少し戻っている状況ではあるが6月当初の水準までは程遠い。

ETHの暴落は、NFT界隈へかなり深刻な影響を与えることは明白だ。

NFTの価値が130%以下に、「Murakami Flowers」も大打撃

人気アーティスト村上隆氏のNFTコレクション、Murakami Flowersも今回の市場暴落の影響を多分に受けた。

当初、日本円で約3,500万円の価値があったNFTアートは一気に約27万円まで暴落。これを受けて、同作品の所有者に向けて謝罪のツイートを投稿している。

本プロジェクトの起ち上げは、暴落寸前のタイミングで行われたため、暴落の影響を一身に受ける形となってしまった。

連動する仮想通貨の価格変動を大きく受けるNFT特有の価値変動ではあるが、アーティストにとっても所有者にとっても厳しい現実と言わざるを得ない。

NFTへ酷評、ゲイツ氏の意見

Microsoft創設者、ビル・ゲイツ氏はNFT及び仮想通貨について苦言を呈している。

これらはどれも、「最も愚かな理論とシステムの上に成り立っている」との意見だ。

価値を信じて多額の投資を続ける者がいれば価格が上昇するというシステムは、自分が信じる価値を他者に押し付けて信者を作り出し、「投資させる」という流れによって成り立っている。

この仕組みをゲイツ氏は、「愚か」と表現しているのだ。

ゲイツ氏はこの仕組みを嫌い、仮想通貨関連には一切手を出していないことを明かしている。

ゲイツ氏が言うようにNFTや仮想通貨は、夢を見たい人たちが創り上げた空想の産物に過ぎないのだろうか?

実際に市場の中でもがくユーザーは、「このままでは終われない」という気持ちで市場が盛り返すことを信じている。

信じているが故に、この相場でもまだ買い続けるユーザーが現れるのだ。

そしてその流れが事実、再び大きな巻き返しを見せることを私たちは知っている。2021年大きく盛り上がった市場だからこそ、現在の市況感には絶句してしまう部分があるが、初期と比較すればビットコインなどはまだまだ余裕があると言える。

ただし、NFT関連のアルトコインはビットコインと同じような余裕を持っていられるような状態ではないことも事実だ。

イーサリアムは既に、2018年の最高価格を下回っている状態にある。この状態で、本年中の大型アップデートが予定されている。

起死回生のチャンスは、アップデート前後になるかもしれない。まずは、この相場で落ち着いて待つことが大切になるだろう。

タイトルとURLをコピーしました