仮想空間にアバターを作って過ごす、それはゲームのようでゲームではない現実世界の一部。
そんな取り組みが世界各地で広まってきている。
今回特に注目を集めたニュースが、全豪オープンがDecentraland(ディセントラランド)でイベントを行うことを発表した。
また、日本でもスポーツと掛け合わせたメタバース参入が続々と登場している。
今回はメタバース×スポーツをテーマに、盛り上がるメタバースについて紹介していく。
全豪オープンがNFT・メタバースに参入、テニスとメタバースの世界とは
1月6日、全豪オープンがNFTの発行とメタバース参入について発表した。
NFTの取り組みは非常に面白いもので、仮想テニスコートを区分けして実際の試合でウィニングショットが決まった位置にそれぞれ当てはめていき、該当するNFT所有者がウィニングショットの映像やグッズなどを手に入れることができるというものだ。
NFTは13日、1区画0.067ETHで取引された。
さらに、Decentralandでは大会に関連するイベントが開催され、参加者が賞品を獲得できるなど盛り上がりを見せた。
新型コロナの影響で無観客試合を余儀なくされることが増えたスポーツ界隈では、このようにメタバースでのイベントや試合の開催に注目が集まっている。
NBAでもブルックリン・ネッツ選手が「ネタバース」というメタバースを作り、現実世界と連動させて仮想空間で実際の試合を見ることができるようになったことで話題となった。
コートの周りに100台以上のカメラをセッティングし、リアルタイムで選手たちの動きを3Dに起こしネタバースに反映していく仕組みだ。
このようなメタバースが普及すれば、ファンは好きな場所から試合を間近で観戦することができるようになる。
Welcome to the Netaverse! @Grady details a historic debut. #netaverse pic.twitter.com/dmrtn09xd6
— YES Network (@YESNetwork) January 16, 2022
日本でもメタバースに注目するスポーツ界、KDDIがサッカー日本代表イベントを実施
日本では、KDDIがサッカー日本代表戦の応援イベントを、メタバース「バーチャル渋谷」で開催する。
同メタバースは、メタバースプラットフォーム「cluster」を利用するため、参加希望者は同アプリのインストールとアカウント作成が必要となる。
しかしそれだけで、誰でも無料で応援イベントに参加することができるのだ。
肝心の代表戦もメタバース内にて、パブリックビューイング形式で観戦することができるのも大きなポイントだ。
日本企業の相次ぐメタバース参入で、スポーツがもっと身近に
ファンにとって試合を実際に見ることはこの上ない楽しみだが、会場で他のファンと知り合ったりグッズを購入したりすることも同じように楽しみの一つだ。
しかし、地方に住んでいたり海外開催だったりすると、気軽に足を運べないためこうしたスポーツイベントが身近ではない人もたくさんいる。
また、昨今の新型コロナの影響を受けてこれまでイベントに足しげく通っていた人たちも、現地に行けないことが増えている。
そんな中で、スポーツイベントのメタバース開催はファンにとってはこれ以上ないという程の代替案になる。
日本企業は、昨今のメタバース人気も踏まえて続々と事業参入している。
例えば、ソニーグループは英サッカークラブの強豪「マンチェスター・シティー」と提携し、メタバース内に実際のスタジアムを創り出す事業を計画している。
メタバースでより臨場感を味わうことができるVRゴーグルも、パナソニックの子会社であるシフト―ルによってより軽量化され、発表されている。
同様の動きは、キヤノンやソフトバンク、NTTドコモなどの大手企業で見られており、メタバースや関連製品開発に続々と乗り出している状況だ。
メタバースが普及すれば、これまでスポーツとは疎遠だった人も気軽にイベントに参加できるようになる。
スポーツへの新たなファンの流入も見込め、メタバースも盛り上がるという相乗効果が大いに期待されるだろう。