ブランディングとしてのNFT、希少性以外の価値

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「NFTの価値とは何か」

これは、しばしば語られる疑問の一つだ。

NFT化されているジャンルによっても異なるだろうが、その一つに「希少性」を上げる人も多いだろう。

しかし、NFTの価値はそれだけではない。今回は、MAGARIMONO STUDIOSが15日より販売するNFTスニーカーの事例をもとに、NFTによるブランディングについて考察していく。

15日よりMAGARIMONO STUDIOSがNFTスニーカーを販売

MAGARIMONO STUDIOS | THE FUTURE OF FASHION IN WEB3.0
クリエイティブとテクノロジー、2つの領域を掛け合わせ次世代のクラフトマンシップを提案する日本発のスニーカーブランドが、ブロックチェーン技術を用いてリアル/バーチャルの垣根を超えたファッション体験を追求するために立ち上げたデザインスタジオ。

デジタルファッションブランドのMAGARIMONO STUDIOSは、15日より世界最大級のNFTマーケットプレイスOpenSeaでNFTスニーカーを販売することを発表した。

今回発表したNFTスニーカーはデジタル作品に留まらず、現物がNFT購入者の手元に届く予定だ。

販売されるスニーカーは、同社のスタンダードモデル「Cumulonimbus」とアーティストDaokoとのコラボモデルである「阿吽A-UN」の2種類で、それぞれ一足ずつだ。

販売期間は、日本時間で15日13時から29日12時59分までとなる。

NFTスニーカーがブランディングの一助を担う

初回購入者特典は現物のスニーカーだが、転売以降の購入者には「同社のNFT保有者のみが購入できる別のスニーカーの購入権利」という特典が与えられる。

同社のブランドのファンなら、今回の一足限定スニーカーは喉から手が出るほど欲しいはずだ。一足限定ということもあるが、それ以上にブランドの商品を手に入れておきたいというコレクティブな側面が強いだろう。

さらにそのスニーカーを惜しくも買えなかったファンは、なんとしてもNFTを転売してもらい別作品の購入権利を手に入れたいと強く願うだろう。これこそがNFTに価値が生まれる仕組みなのである。

昨年より話題沸騰のNFTには疑心的な声も多く、「NFTの価値とは」何かという疑問もしばしば浮上する。

NFTが持つ唯一性やブロックチェーン技術の特性を生かした改ざんできないという部分、様々なポイントで価値が語られてきた。しかし、今回のスニーカーの場合は、スニーカーそのものの希少性に価値があるというよりも、ブランドそのものに大きな価値があると捉えることができる。

そして、これをファンがこぞって欲しがることによって、一層ブランドの価値が高まっていくのだ。

これぞ、NFTを用いたブランディングの手法とも言えよう。

NFTが生み出す価値は希少性だけではない

あるNFTをファンと一緒に作り上げたコミュニティとともに価値を上げていくというブランディングを伴った販売方法は、NFTアート界隈でもよく見られるようになった。

NFTに価値を見出し参入したものの、一向に売れないNFT。

それらと向き合って多くのアーティストたちが「希少性」以外の価値を見出したのである。NFT販売において、ブランディングは必要不可欠な要素となりつつある。

ファンを創り上げること、ファンを巻きこんでコミュニティを盛り上げること、そしてようやくNFTに価値がつく。ファンはそのブランドを愛し、作者を応援し、そして作品をコレクションしたいと心の底から思っている。

そういう状況を創り上げなければならない。

NFTの希少性が大きな価値になるとしたら、プロジェクトのブランディングが成功した上でのことだろう。このように考えると、既存のある程度ブランディングがされているブランドというのは、NFTとの相性が非常に良いと言える。

MAGARIMONO STUDIOSのNFTスニーカー販売がどのように盛り上がり、そしてその後どう転売され広がっていくのか。この過程をしっかりと目に焼き付けておくことが、NFT販売の肝となるかもしれない。

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