ビットコインだけでなく、先週は多くのコインが高騰した。今回は、そのなかでも特にバイナンスコイン(BNB)とリップル(XRP)の高騰の背景を解説している。また、後半には急騰のアルトコインをリストアップしているため、ぜひ今後の取引の参考にしてほしい。
トピック: バイナンスコイン(BNB)高騰を続ける
世界最大の規模の仮想通貨取引所バイナンスが独自に発行する、バイナンスコイン(BNB)が、高騰を続けている。
上昇の背景として、ネットワークの手数料が安価なバイナンススマートチェーンとBEP-20トークンが台頭したことが挙げられる。これまでは、ネットワーク手数料の高騰が問題となっているイーサリアムチェーンを使用していた。
また、バイナンスコインは一定期間ごとにバーン(焼却)することでその希少性を担保する仕組みである。計画的バーンはまだ数回残されているため、大きな反発がなければまだまだ伸びるだろう。
トピック:リップル(XRP)高騰の背景
リップル(XRP)が一時前日50%高を記録し、高騰を見せている。高騰の要因に、リップルが2021年Q2後半に控えるFlare Network(フレアネットワーク)へのアップデートに対する期待が考えられる。
フレアネットワークはリップルにスマートコントラクトの機能を追加するプロジェクトである。イーサリアム仮想マシンなどを活用することで、安全で分散化されたスマートコントラクト・ネットワークの構築を目指している。
また、中国系の相互運用性プロジェクト「Wanchain」ではXRP専用の分散型クロスチェーンブリッジがメインネットで稼働を始める。これにより、Wanchainやイーサリアム(ETH)上でDeFi活動が可能となるため、これもリップル上昇の要因と考えられている。
その他のリップル高騰の背景には、ビットコイン(BTC)など仮想通貨全体の好調な市場状態もさることながら、SECとの裁判において和解に向けた動きが期待されていることも影響している。
リップルとSECの裁判に関する報道を受けて、これまでXRPの取扱を停止していたコインベースやクラーケンなどの取引所が、XRPの再上場に向けて調整を進めているという声もある。
また、リップル社自体の進捗も大きい。3月30日には東南アジアを中心に送金決済ネットワークを展開するTranglo社の株式のうち、40%の取得に合意したと発表。
中長期的な目線で見れば、リップルはSECとの裁判などの問題が解決に向かっているといえるのかもしれない。
トピック:急騰注目コインまとめ
仮想通貨市場の全体時価総額が2兆ドル(約220兆円)を初めて突破。ビットコインのドミナンス(市場占有率)は下降傾向にあるものの、アルトコインに資金が集中し、本格的なアルトシーズンを迎えている。
時価総額10億ドル以上で未上場のスタートアップ企業を「ユニコーン企業」という。下記に時価総額が急増したユニコーン級のアルトコインをリストアップした。なお、通貨名の右側には10億ドル到達日時を記載。
・シータ(THETA):20年12月
・ユニスワップ(UNI):20年12月
・アーヴェ(AAVE):20年12月
・ヤーンファイナンス(YFI):21年1月
・ソラナ(SOL):21年1月
・メイカー(MKR):21年1月
・スシ(SUSHI):21年1月
・ドージ(DOGE):21年1月
・アヴァランチ(AVAX):21年1月
・ビットトレント(BTT):21年2月
・テラ(LUNA):21年2月
・ゼロエックス(0x):21年2月
・アイオーエスティー(IOST):21年2月
・エルロンド(EGLD):21年2月
・アルゴランド(ALGO):21年2月
・クサマ(KSM):21年2月
・チリーズ(CHZ):21年3月
・エンジンコイン(ENJ):21年3月
・バンコア(BNC):21年3月
・ディセントラランド(MANA):21年3月
・ベーシックアテンショントークン(BAT):21年3月
・Flow(FLOW):21年3月
このようにリストアップしてみると、案外なじみのないコインも多いかと思う。それぞれ下調べを十分に行ってから今後の可能性について検討しつつ、取引をしたいものだ。
まとめ:1週間の動き、長期トレンド交えた今後の展望
先週は、バイナンスコインやリップルなど仮想通貨全体が高騰し盛り上がりの大きい週であった。中でも長年にわたりSECとの裁判が懸念されているリップルは和解に向けた進捗を見せており、それが今回の高騰につながっている。
また、主要アルト以外にも、未上場の仮想通貨はまだまだたくさんある。今後これらの通貨が上場し、日本でもなじみの深い通貨になる日もそう遠くはないだろう。今後も主要な通貨だけでなく、仮想通貨全体をよく観察していきたい。