昨年から急激にNFTという言葉が、様々な場所で聞かれるようになった。その内、随分早い段階でタレントの香取慎吾氏のNFTアートチャリティプロジェクトが話題となったことを覚えているだろうか。
実はこのように、タレントや芸能プロダクションがNFT・メタバース事業に参入し、様々な取り組みを行っている事例は多い。
今回はそうした事例を取り上げ、芸能とNFTのテーマで深掘りしていく。
香取慎吾氏のNFTアートチャリティプロジェクト、総額3900万円寄付へ
2021年9月。ちょうど、仮想通貨市場が大いに盛り上がりを見せ、同時にNFTの知名度が爆発的に上がった時期だ。
タレントの香取慎吾氏はこの時期、NFTアートチャリティプロジェクトとしてNFTアートを活用した寄付活動を行った。NFTアートを1点3,900円に設定し、1万点限定で販売。同氏の知名度が功を奏して、一日で完売し、プロジェクトは大成功に終わった。
そして集まった3900万円は、無事に贈呈式にて、日本財団パラスポーツサポートセンターの山脇康会長に手渡されたのだ。
NFT×アイドルグループ、プロデューサーは秋元康氏
株式会社オーバースは、新時代のアイドルグループプロジェクトとして、NFTやメタバースを活用する構想を練っている。
コンセプトは、「ブロックチェーン技術とメタバースによる活動領域の拡大」となっており、IEOを活用した資金調達からスタートする。IEOは2023年初旬、メンバー募集や育成などは2023年春から夏にかけて行われる予定だ。
詳細についてはまだ発表されていない部分が多いが、この度総合プロヂューサーとして秋元康氏が就任することが明らかとなった
SKE48江籠裕奈氏のソロCD限定特典がNFTで先行販売
2022年9月20日、SKE48江籠裕奈氏の初ソロCDが発売された。限定特典として、NFT化された写真が付属されている。
限定特典が付属したCDは、50個のみの販売で、音楽専門NFTマーケットプレイスThe NFT Recordsで取り扱われた。
NFT化された限定写真は50枚しか存在しないが、転売を経て様々な人の手に渡っていくことになる。そして、同氏の知名度や人気の向上に伴って、その価値もどんどん上がっていくだろう。
メタバース×歌舞伎、松竹が商品化
少し遡るが、今年4月には伝統芸能とメタバースのコラボ作品が商品化されている。
松竹株式会社は、メタバースとリアルの歌舞伎を合成した「META歌舞伎 Genji Memories」という演目を配信。源氏物語を題材とする同演目は、1月25日に生配信された話題を呼んだ。
その後、商品としてNFT化されAdam byGMOにて出品されている。出品作品は、演目のハイライトシーンを14本に分割した映像データだ。所有することのプレミア感を感じる商法となっている。
芸能とNFTによってライト層へと広まるNFT
タレントや芸能事務所が積極的にNFT事業に参入することで、NFT未認知層にも自然と「NFT」の存在が知れ渡っていく。ファンであれば、限定グッズは何としてでも欲しいだろうし、参入にためらわない人も多いだろう。
こうしたライト層にNFTが広まることによって、日本におけるNFT・メタバースなどを含むWeb3の認知度は加速していく。
特に、秋元康氏がプロデューサーを務める新たなアイドルグループが、NFT・メタバースを活用してどのように活動していくか、注目が集まるだろう。