2022年の6月までにコンセンサスアルゴリズムの変更を伴った大型アップグレードが予定されているイーサリアム。
その過程で行われるアップデートは逐一話題となり、保有者や投資家たちの注目を集めている。今回も、イーサリアムに関する話題を2つと、依然としてブームの渦中であるNFTに関するトピックを1つ紹介していく。
トピック:コインベース、イーサリアムアップデート前にETH2を追加で話題に
10日イーサリアムはネットワークアップグレードが予定されており、その後半日程度の間に各取引所はイーサリアムのハードフォークに伴う入出金の停止について通知をした。
一方で、大手仮想通貨取引所である今ベースは、取扱いインデックスの中にひっそりと「EHT2」を登場させ、多くの投資家たちの間で話題となった。この通貨が登場した背景には、EHT2.0が登場した時にEHTと同時に存在する別バージョンの通貨、という想定がある。
ETH2.0へのアップグレードは、根本的なアルゴリズムの変更などが伴うため、慎重に複数のプロセスを踏んで進めていく必要がある。その過程のいわば実験的な存在が、今回のEHT2だ。
とは言え、EHT2を保有しても現行のETHと同じ扱いであることは変わらない。
イーサリアムアップグレードがいよいよ目の前まで迫ってきていることを示しており、ますますイーサリアム市場は盛り上がりを見せるきっかけとなるだろう。
トピック:Polygonが「Mir」を買収でイーサリアムの処理能力向上へ期待
Polygon(ポリゴン)が、「Mir」と呼ばれるプロジェクトの買収を発表した。
Polygonはイーサリアムが抱える様々な問題を解決するべく誕生したセカンドレイヤー・ソリューションプロジェクトだ。要するに、外部の存在でありながらイーサリアムに接続することで、イーサリアムをサポートする存在である。
Mirは暗号学の中で「ゼロ知識証明」と呼ばれる手法に関する技術を開発するプロジェクトで、今回の買収によってその技術がPolygonへ受け継がれることとなる。これによって、Polygonはイーサリアムの処理能力がさらに向上するソリューションを開発することを目指す。
トピック: 旧Facebookであるメタ社が仮想通貨ウォレットを一部で実装
メタバースへ本格参入することを発表し、社名をFacebookから変更したメタ社。同社は、「Novi」と呼ばれる仮想通貨ウォレットを「WhatsApp」というメッセージアプリ上に実装した。
利用できるのは米国ユーザーとグアテマラ共和国のみだが、手数料なしで簡単に仮想通貨を送金できるという。今回の実装は試験的な段階にあるため、米国内のみでの利用となっているが、今後サービスが安定していけば他国へと拡大していく予定だ。
仮想通貨は取引所かウォレットを介さなければ売買を行うことができない。「Novi」のような手数料がかからないウォレットが一般的になると、現行のCEXを利用せずにDEXでの取引が盛んとなるだろう。
先週のまとめと今後の見通しの考察
大型アップグレードまで半年と少しに迫ったイーサリアム。徐々にゴールに近づいている様子がわかるニュースが飛び交っている。
エネルギー問題に直結するコンセンサスアルゴリズムであるPoWから脱却しPoSで稼働するようになれば、イーサリアムの需要はさらに増えるだろう。仮想通貨規制のニュースも相次ぐ中で、このように仮想通貨関連企業の取り組みからも目が離せない。
人々にとって非常に使いやすいウォレットが普及すれば、それだけユーザーも増えていく。まだまだ仮想通貨市場が可能性を秘めていることが伝わってくるメタ社の取り組みだ。