仮想通貨市場に対して強い発言力を持つイーロン・マスク氏。
話題に事欠かない彼は、先週も鶴の一声でアルトコイン市場を反転させるという相変わらずの影響力を見せた。
しかしこの強い影響力が災いして、DOGEを使ったマルチ商法詐欺として訴えを起こされている。
今回は、そんなイーロン・マスク氏に対する裁判についてを中心に、中国での裁判やリップルの新たな取り組みについて紹介していく。
トピック:イーロン・マスク氏、DOGE利用のマルチ商法で訴えられる
米大手電気自動車メーカーテスラのCEOを務め、仮想通貨界で大きな発言力を持つイーロン・マスク氏が提訴された。
DOGEを利用したマルチ商法に寄与したとして、日本円で約34兆円の損害賠償を求める内容だ。
原告キース・ジョンソン氏は、イーロン・マスク氏の発言によるDOGEの価格変動によって約860億ドルの損失を被ったとして、訴えを起こしている。
裁判は16日より始まっているが、イーロン・マスク氏のツイートに関する調査はSEC(米証券取引委員会)によって既に行われている状況だ。
今回の提訴に対して、どのような判決が下されるのかによって仮想通貨市場には再び大きな激震が走るだろう。
ちなみに、同訴訟後もイーロン・マスク氏はDOGEの支援を約束。
この発言によって、下落傾向だったDOGEを始めとするアルトコインが反転し、価格上昇を見せている。
これだけ強い発言力があると、こうした裁判が引き起こされても仕方ないことなのかもしれない。
トピック:中国では仮想通貨での売買契約は無効
昨年、本格的な仮想通貨規制によって国内から仮想通貨を追い出した中国。
国内では、新たな判例がもたらされた。
16日に公開された判例によると、仮想通貨による売買契約は無効であるとし、仮想通貨が通貨として機能しないことを明記している。
今回の裁判の発端は、上海の自動車会社から車を買った際、法定通貨ではなく約823万円相当の仮想通貨で支払ったことに対して、納車が行われなかったというものだ。
原告は、商品と商品の交換にあたるとして売買契約の成立を主張していたが、裁判所がこれを却下。
仮想通貨には通貨としても商品としても価値がないとして、契約が無効と判断された。
表には出てきていないが、中国国内ではこうした事例が多発していると予想される。
今回の判例によって、中国国内での仮想通貨はゴミ同然ということが改めて明らかになった。
トピック:リップル基盤のメタバース構想、FLUFWorldと提携
17日、リップル社は自社開発のリップルチェーンを基盤としてメタバースプロジェクトについて発表した。
関連プロジェクトFLUFWorldとの提携を経て、リップル基盤でNFTを売買できるメタバースを構築するという。
本メタバースでは、NFT取引をメインとしつつも、メタバースを利用するユーザーに没入型体験をもたらすことを大きく掲げている。
メタバースは、he Root Networkという新たな分散型チェーンネットワークによって構築される。
これにリップルチェーンが連動して、資産管理や決済に対する大きな役割を担うこととなる。
要するに、リップルがNFT機能を装備し、かつ新たなブロックチェーンを利用しながらメタバースを構築していくということだ。
リップル基盤のNFTは、メタバース上に展開されていくという構想であり、これまでのNFTプラットフォームとは一線を画する存在になりそうだ。
先週のまとめと今後の見通しの考察
アルトコインもビットコインと連動して、非常に不安の残る市況感となっている。
このまま下落し続けるかというタイミングで、イーロン・マスク氏の鶴の一声による反転が起き、何を免れた。
そのイーロン・マスク氏が訴えられている裁判の行く末は、今後の仮想通貨市場に大きな影響をもたらすことになると予想される。
現状、仮想通貨に対する不安が強い市場では、今後も予期せぬ動きが見られる可能性が高いが、ここを耐え切れるかが正念場だ。