仮想通貨にテクニカル分析は必要?意味がない?BTC投資のためのテクニカル分析の基礎

仮想通貨にテクニカル分析は有効?意味ない? クリプト全般知識
クリプト全般知識

株やFXでは、テクニカル分析を用いて取引を行う投資家が多い。

では仮想通貨はどうだろう?ビットコインやイーサリアムなどにおいてもテクニカル分析は有効なのか、疑問に感じる人もいるのではないだろうか。

この記事では、テクニカル分析の分析手法の主な種類と、「テクニカル分析の有用性」についても踏み込んで解説している。読後はテクニカル分析の全体的な理解が深まることが期待できるため、ぜひ最後まで読んでほしい。

テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは、過去の値動きを表したチャートからトレンドやパターンを把握し、今後の動向を予想するために用いる分析手法のことである。

つまり、過去の値動きから変動の仕方の特徴を見つけて、今後の値動きを当てるために分析する手法だ。

どのような種類がある?

テクニカル分析には、以下のように様々な種類がある。

・トレンド系
・オシレーター系
・フォーメーション系

ここではそれぞれのタイプについて、詳しく解説する。

トレンド系

トレンド系とは、市場の全体的な方向性(トレンド)を見極めることを目的としたテクニックだ。価格は毎秒変動しているが、細かい上下運動を繰り返しながら一定方向に向かっていく特徴がある。この流れをとらえ、それに乗っていくための分析はトレンド系に分類される。

トレンド系のテクニックには、代表的な以下の2つのタイプがある。

移動平均線

移動平均線とは、一定期間の価格の終値の平均値をつなぎ合わせた、価格の動きをわかりやすく可視化したラインである。よく使われる移動平均線には、単純移動平均線(SMA)と呼ばれるものがある。

その他に、単純移動平均線よりも直近の価格に比重を置いた指数平滑移動平均線(EMA)加重移動平均線(WMA)がある。この2つは単純移動平均線に比べて値動きに敏感に反応するため、売買シグナルが早く出るのが特徴だ。

ゴールデンクロス、デットクロス

移動平均線は2~3本を組み合わせることが多く、売買シグナルとして「ゴールデンクロス」「デッドクロス」がある。

ゴールデンクロス:短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けること。直近の価格傾向が上向きに転じたと見られるため、「買いサイン」とされている。

デッドクロス:ゴールデンクロスとは反対。短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けること。直近の価格が下向きに転じたと見られるため、「売りサイン」とされている。

オシレーター系

オシレーター系は、値動きからトレンドの強さや「買われすぎ」「売られすぎ」といった過熱感やその兆しを察知するときに活用する手法だ。

代表的な手法は、以下の2つがある。

RSI(相対力指数)

現在の相場の相対的な強弱(過熱感)を表す指標として活用されている。直近の一定期間において終値をベースとして上昇分の値幅と下落分の値幅で、どちらに勢いがあるのかを計測しようとする指標である。

ストキャスティクス

ストキャスティクスは、RSIと同様に相場の買われすぎ・売られすぎを判断する分析手法だ。「%K」「%D」の2本のラインを利用したファーストストキャスティクスと、「Slow%K」「Slow%D」を使用したスローストキャスティクスがある。

フォーメーション系

フォーメーション系では、過去に登場した特徴的なチャートパターンから今後の価格の動向を予想する分析をする。

フォーメーション系には主に以下の手法がある。

ヘッドアンドショルダー、逆ヘッドアンドショルダー

ヘッドアンドショルダーは、高値圏で登場するパターンだ。高値圏でヘッドアンドショルダーが登場すると、上昇トレンドが終了し、トレンド転換の可能性が高まる。

逆ヘッドアンドショルダーは、安値圏で登場するパターンである。このパターンが安値圏で登場すると、上昇基調が強まるというサインだ。

テクニカル分析は意味ない?それとも有効?

相場の予測において、テクニカル分析は「意味がない派」「意味がある派」に意見が分かれることが多い。それはなぜか?

それぞれの意見を取り上げて、意味があるのか考察したい。

テクニカル分析は意味がないとする考え方

テクニカル分析は意味がないと考える人々の根底にあるのが、「ランダムウォーク理論」である。ランダムウォーク理論とは、相場の値動きはどの時点においても上昇と下降の可能性が2分の1であり、過去のデータやトレンドによって将来の値動きを予測することは不可能であるとする理論のことだ。

加えて、過去のチャートと似たパターンがあっても今後同じ動きをするとは限らないし、値動きは完全にランダムであり規則性はないという考え方だ。

テクニカル分析は意味があるとする考え方

テクニカル分析を用いれば、多くの参加者たちが意識するであろうポイントが分かるようになる。このようなポイントでは売買も活発になり、取引高も多くなる傾向にある。

また、テクニカル分析は「集団心理をデータとして視覚化し、それをパターンとして識別できる」特徴がある。相場というのは世界中で取引をしている人々の集団心理および集団行動によって動いている。価格を動かす大きな要因として、取引をしている人々の心理が大きく影響しているのだ。

つまり、相場を動かす大きな要因というのは相場参加者の心理であり、その集団心理をデータ化しているのがチャートであれば、そのチャートを分析することに意味がないとしてしまうのは無理があるのではないだろうか。

仮想通貨にテクニカル分析は効果ある?

株やFXだけでなく仮想通貨の価格は、相場参加者の「総意」で動いている。総意とは、価格に影響を与えるニュースなどの各種情報に対する個々人の判断・反応・心理の集まりを指す。

株やFXでは、テクニカル分析を使って取引に参加する人が一定数いる。つまり、テクニカル分析による予測も、「各種情報」に含まれるということだ。ということはテクニカル分析も価格を動かすひとつの材料になると考えられる。

ただし株やFXに比べて、仮想通貨の価格は大口投資家の売買や発言、新規情報などの影響を受けやすいため、分析通りにならないことも多い。実際に、テスラ社CEOのイーロンマスク氏がビットコインやドージコインに関するツイートをすると、その通貨の価格が乱高下している。

その点に注意して最新情報の収集を怠らず、テクニカル分析も判断基準のひとつとして用いれば、相場の流れや状況が把握できるようになり上手く利益を出せるようになるのではないだろうか。

まとめ

ここまで、テクニカル分析の種類やテクニカル分析の有用性について解説してきた。

未来のことは誰にも分からないが、テクニカル分析では過去の流れを分析できる上、相場の流れをつかめる。さらにテクニカル分析自体が価格を動かす材料になりえるため、知っておいて損はない知識だと言えるだろう。

今後はテクニカル分析のそれぞれの手法について、さらに掘り下げた記事を掲載予定である。ぜひチェックして、自身のトレードに活かしてほしい。

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