ビットコインは先週、一次300万円台付近まで価格を上昇させるも維持できずに下落。結局、270~280万円台をキープして着地となった。
今年に入ってからなかなか価格を上げ切ることのできないビットコイ。しかし多くのユーザーが、ビットコインに希望を抱き注視し続けている現状がある。
そのような中で、今回はビットコインマイニングにスポットをあてた2つのトピックと、他1つについて紹介していく。
先週のBTCチャート(9月26日~10月2日)
先週は、270万円台からスタート。27日に290万円のラインを超えたが、300万円台には届くことなく急落した。その後持ち直しを見せ、週末は280万円のライン付近で揉み合いを続ける形で終着。300万円を超えることができなかったが、週の始め270万円台よりはやや上昇を見せる形となった。
トピック:エネルギーが潤沢な地域でマイニング合法化、ロシアで
ロシアでは、2022年初頭に違法マイニングファームを閉鎖し、1,500台以上のマイニングマシンを押収するなど、マイニングに対して厳しい姿勢を見せてきた。
国内では、仮想通貨推進と規制の二派での議論が続くなか、この度特定の地域のみで仮想通貨マイニングを合法化する案が経済開発省から浮上。ロシア銀行とMiFin(ロシア連邦財務省)は、既にこの案に合意しているという。
今回仮想通貨マイニングが許される地域は、エネルギーが潤沢な地域に限られる。水力発電所と原子力発電所のある地域で許可される見込みだ。一方、電力不足地域ではエネルギーを大量に消費するマイニングは禁止すべきとの意見は変わっていない。
トピック:英ポンド建てビットコインに追い風、取引量が急増
26日、英ポンドは大幅に急落。背景には、新政権によって発表された経済政策がある。新政権は、国内の経済成長を促すために、減税計画を含めて新たな経済政策を発表。しかしこれが急進的な内容であったため、財政への不安をあおる形となり、急落を招いたと考えられる。
翌日27日、英ポンド建てビットコインの取引量が急増。1日平均7000万ドルだった取引量が、一気に8億8100万ドルまで上昇。なんと1400%以上の急上昇だ。
これを受けて、CoinShares(コインシェアーズ)のJames Butterfill(ジェームズ・バターフィル)氏は、次のようにツイート。
“定通貨が脅かされると、投資家はビットコインを好むようになります。”
しかし今回の状況は、英ポンド並びに英国への信頼が下落したことを意味するという見方もある。
#Bitcoin volumes against #GBP were US$881m yesterday (US$70m average), when a FIAT currency is threatened, investors start to favour Bitcoin pic.twitter.com/Q3pXJTDHWZ
— James Butterfill (@jbutterfill) September 27, 2022
トピック:ビットコインマイニングの影響は原油採掘と同レベル
かねてより環境へ多大な負荷をかけることが問題視されているビットコイン。マイニングが気候変動に与える影響は、原油採掘と同程度だということが明らかになった。
現時点でビットコインが環境に与える負荷は軽くなっておらず、持続可能が難しいということを示している。本研究は、ニュー大学のサイエンティフィック・レポートによって発表されている。
ビットコインをはじめとするPoWの仮想通貨マイニングにおいて使用される電力は、大部分が石炭と天然ガスによって賄われている。近年、再生可能エネルギーにシフトしてきているように思えていたが、実態はまだ6割以上が非再生可能エネルギーの利用に依存しているのだという。
脱炭素が叫ばれる社会の中で、この現状は受け入れ難いものであることは事実だ。仮想通貨マイニングの禁止を真剣に議論する国家が続出するのも理解に易い。
再生可能エネルギーへのシフトがどのような速度で行われていくのか、追っていく必要があるだろう。
先週のまとめと今後の見通しの考察
ビットコインは先週も300万円台を超えられず、270万円台で着地。ただし、週半ばからは価格をある程度維持し続け、大きな下落は見られなかった。ひとまずは落ち着いた動きだったと言えるだろう。
ロシアでビットコインマイニングが一部合法化される見込みが出てきた中、環境への負荷に強い懸念を示す研究結果も出てきている。ビットコインがもたらす経済効果は魅力的であるが、持続可能でなければ衰退してしまう。
今後、どのような形と速度でビットコインが環境負荷を軽減していくのか、我々も注目していかなければならないだろう。