ビットコインは先週300万円台に乗り上げ、価格を維持することができた。
300万円台のラインを突破したことで、市場を渦巻いていた不安が和らいだことだろう。今回の記事では、市場回復の中で流れた衝撃的なニュースであるテスラの保有ビットコイン売却の話題と、その他2つのトピックについて紹介していく。
先週のBTCチャート(7月18日~7月24日)
300万円台を切り不安が続いていたBTC相場は、18日以降に価格を伸ばしている。
一度300万円のラインを超えると、乱高下がありつつも20日時点で330万円台を突破、週末まで300万円台以上をキープすることができた。
このまま価格を維持していけば、これまでの下落相場は一旦落ち着くだろう。
トピック:ビットコイン大口保有企業テスラが75%を売却、依然として保有ランク2位
ビットコイン大口保有企業で知られる米テスラ社は、保有BTCの内75%を売却したことを明らかにした。
これにより現在の保有数は48,000BTC(CoinGecko調べ)となったが、保有数ランキングは依然として2位となっている。CEOであるイーロン・マスク氏は、今回の売却についてビットコインの未来に対する最終決定ではないことを示し、中国の封鎖政策に対する不確実性を考慮しての現金化だと話している。
テスラはビットコイン売却以前に従業員を200人ほど削減、仮想通貨市場やその他不安定な情勢を鑑みて、会社体制を整えている様子だ。
トピック:2022年第二四半期のビットコインマイニングは持続可能なエネルギーミックスが約60%に
ビットコインマイニング評議会が行った調査によると、2022年の第二四半期におけるマイニングの消費エネルギー約60%が、持続可能なエネルギーミックスによって実施されたことがわかった。
この数値は前年同期比約6%の上昇と見込まれる。
PoW(プルーフオブワーク)を採用するブロックチェーンのマイニングによる電力消費問題はこれまで大きな課題とされ、注目されてきた。このような中で、今回の数値改善は良い影響を与えるだろう。
一時は中国の仮想通貨全面禁止に界隈全体がどよめきを見せたが、これによるマイニング業者の移転も、持続可能なエネルギーミックス利用拡大につながったと予想される。
また、持続可能なエネルギーミックスへのシフトはもちろんのこと、マイニング技術の向上もこうした数値改善に貢献している。
トピック:スクウェア・エニックスが米Zebedeeへ出資
ゲーム業界向けのビットコイン決済システムを提供している米Zebedee(ゼベディー)。
国内大手ゲーム会社であるスクウェア・エニックス(スクエニ)が、このゼベディーの出資へ参加していたことが明らかとなった。
ゼベディーは19日、シリーズBのラウンドで約48.2億円の資金調達を完了したことを報告。
これに、スクエニも参加していたとのことだ。
今回の資金調達を経て、ゼベディーはゲーム業界に向けたブロックチェーンインフラや関連サービスを拡大していく。
スクエニは21年11月にNFT・ブロックチェーンゲームへの参入を明らかにして以来、積極的に様々な挑戦を行っている。国内大手ゲーム会社であるスクエニが持つ様々なゲームブランドがブロックチェーンゲームへ参入していくと、国内で瞬く間に広がっていくだろう。
先週のまとめと今後の見通しの考察
テスラが保有ビットコインの75%を売却したという衝撃的なニュースの中でも、ビットコイン価格が300万円台に乗り、大きな不安が少し和らいだ。
大きな課題とされていたマイニングの消費エネルギー問題も、少し改善が見られている。莫大な電力消費には変わりないが、少しずつビットコインを取り巻く環境が改善されれば、見方も変わってくるだろう。