ビットコインは先週5日、キープしていた500万円台から急落を見せた。
週末まで価格が回復を見せることはなく、430万円を切ることとなった。背景には、FOMCによる利上げ発表と米国株の動きがある。
今回は、下落の原因となった一連の流れを解説し、他2つにトピックについてお伝えしていく。
先週のBTCチャート(5月2日~5月8日)
先週は、500万円台でもみ合いを続け、510万円台まで上昇したものの6日を迎える前に一気に下落。
下落の大きな原因は、米国株の大幅安にある。
これを背景に、ビットコインは大きな売りの流れに転じ、価格の急落を招いた。下落は止まらず、週末には430万円を切る形となった。
トピック:米国株の急落とともにビットコインも下落、背景にFOMCによる利上げ発表
5日、ダウ平均株価が前日比-3.12%、ナスダック総合指数は-4.99%と大幅な下落を見せた。
この動きをなぞってビットコインも急落、維持していた500万円台を大幅に割ることとなった。
今回の急落の背景には、前日4日のFOMC(米国連邦準備制度)による利上げ発表がある。
パウエル議長は、市場が予想する通り50bpの利上げを発表。その後、市場は次の利上げを75bp程度と予想し警戒感を強めたものの、すぐにパウエル議長によって75bpの利上げは否定されることとなった。
これにより、米短期債利回りが急落したため、連動してドル売りが相次ぐ結果となったのである。ビットコインをはじめとする仮想通貨は、この動きを受け急落。
今週は重たいスタートになるだろう。
トピック:LFGが15億ドル相当のビットコインを買い増し
相場が急落したタイミングで、ビットコインの大きな買い増しがあった。今回は、仮想通貨LUNA(テラ)の関連企業であるLFG(Luna Foundation Guard)によるもので、日本円にして約1,900億円となり、37,863BTCが追加されたこととなった。
買い増ししたビットコインを含め、LFGは日本円で約2000億円相当のビットコインとUSTを貸し出すことを発表。
USTの安定化をはかるための一策だと見られている。
トピック:大手仮想通貨取引所バイナンスがライセンスを取得
大手仮想通貨取引所バイナンスが5日、フランスのAMF(金融市場庁)から正式にライセンスを取得したことを発表した。
EUの中でバイナンスの登録を認めた国は、フランスが初めてである。
フランスに根を張るバイナンス・フランスは、今後スイスやスウェーデンなど複数の国でもライセンス取得を目指すことを明らかにしている。
バイナンスは、日本をはじめイギリスやイタリアなどの金融関連機関から警告を受ける事態に見舞われていた。
これに対して、各国でのライセンス取得へ向けて動き始めたばかりだ。
現時点では、以下の国々で認可を受けている
カナダ
バーレーン
アラブ首長国連邦
ドバイ
アブダビ(アラブ首長国連邦)
ライセンスを取得すればするほど、ユーザーのバイナンスへの信頼感は高まる。
今後、日本の金融庁に対して同様の動きを取る見込みは今のところ薄そうだが、仮想通貨関連企業にはこうしたクリーンな動きがより求められていくだろう。
先週のまとめと今後の見通しの考察
FOMCの発表には毎回注目が集まるが、今回はパウエル議長が次回の市場予想を早々に否定したことで、大きな下落が起きた。
市場は再度次回利上げについて警戒感を強めながら動いていくことが予想され、ここからの価格回復は簡単ではないだろう。今週は500万円台に回復することが難しいかもしれない。
一方で急落を受けたLFGの大口買い増しなど、このタイミングで動く企業は多そうだ。LFG以外にもビットコインを狙う企業が動きを見せるかもしれないので要注意だ。