不安定な動きを続けるビットコインは先週、500万円台を維持できずに下落を見せた。
様々なリスクが世界をひしめく現状が、ビットコインの値動きに反映されている。
こうした動きの中で各国は、ビットコインをはじめとする仮想通貨に対してそれぞれ動きを見せている。
今回は、ロシア・スイス・アフリカのビットコインに対する動きについて紹介していく。
先週のBTCチャート(4月25日~5月1日)
先週のビットコインは、25日に500万円台に乗ったものの維持できず、大きな波を繰り返した。
週末は500万円台を切って着地。なかなか落ち着かない状況だ。マクロ経済および地政学的なリスクが世界を席巻する現状が、そのまま不安定な動きとして反映されていると見られる。
トピック:ロシア仮想通貨法案、仮想通貨関連企業へ取引データ共有を要求
ロシアで検討されている仮想通貨法案に関連して、新たな情報が明らかになった。
同法案に関連して、FSB(ロシア連邦保安庁)および内務省が仮想通貨関連企業に対し、取引データを共有するよう求めているとのことだ。
さらに、仮想通貨を含むデジタル資産を差し押さえる際の条件提示も要求している。
こうした要求の一部は、既に財務省によって受け入れられている状態だ。
同法案の最終案は5月中に提出予定となっており、一度調整は落ち着きそうだ。
トピック:ビットコインは準備通貨に充てられない、スイス国立銀行の見解
SNB(スイス国立銀行)の総裁であるトーマス・ジョルダン氏は、ビットコインが準備通貨に充てることはできないとの見解を示している。
準備通貨とは、諸外国との決済のために準備しておく外国通貨のことを指す。法定通貨でいうと、現在は米ドルが準備通貨としての地位を占めている。
ビットコインは、準備通貨としての機能や役割を果たしていないとして、今後も準備通貨としてSNBに採用されることはないとしている。
ただし、ビットコインを目の敵にしているわけではなく、条件を満たすあるいは必要となった場合には、即座にビットコインを導入する準備は整っていることを示唆している。
あくまえで、現段階のビットコインは導入する気がないとの意思だ。
こうした明確な立場を示すスイス国内では、ルガーノ市が法定通貨にビットコインやテザー、ステーブルコインであるLVGAを採用している。
トピック:ビットコインを法定通貨に、中央アフリカ共和国
昨年、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用したが、次いで中央アフリカ共和国も同じ道を辿ることとなった。
同発表は27日に行われ、中央アフリカは世界で2番目にビットコインを法定通貨に採用した国となった。
ビットコインは外国との送受金が簡単になるだけでなく、国際送金にかかる手数料を減らすことができるメリットがある。
またインターネットさえ繋がっていれば、銀行要らずの通貨なので出し入れする手間も省けるのだ。
ところが、中央アフリカ共和国ではインターネット普及率が上昇しているものの、2016年のデータではわずか4%に留まっている。
それから6年経過しているとはいえ、長く紛争が続いている現状で国全体にネットワークが普及しているとは想像し難い。
こうした点で、今回の法定通貨採用に反対する声も相次いでいる。
先週のまとめと今後の見通しの考察
ビットコインが誕生してから14年経っているが、関連する法律や制度はまだ整っているとは言えない。
仮想通貨が持つマネーロンダリングなどのリスクに対し、国家は「管理」をするために法整備を進めている。
ビットコインの本質は、管理者のいない自由な金融ネットワークの構築だと考えるが、国家のしがらみによってなかなか本領を発揮できていないのではないだろうか。
今回は、ロシア・スイス・中央アフリカの現状をお伝えしたが、今年は日本国内でも色々動きがありそうだ。
国内の動きについても、引き続き注視していきたい。