4月に入って好調だったビットコインだが、先週は様々な要因が重なり11日に大幅な下落を見せた。
急落後は500万円台まで回復を見せたものの長くは続かず、週末は500万円を切って終わっている。
今回紹介するトピックは、ビットコインの買い増しに関するニ、ビットコインの環境負荷への懸念に関わるニュース、そしてブラジルでの「ビットコイン法案」についてだ。
先週のBTCチャート(4月11日~4月17日)
ビットコインは先週、4月に入って初めて500万円台を割る下落を見せた。
11日の急落の背景では、米金利上昇やロシア軍によるウクライナへの大規模攻撃再開の可能性への懸念が広まったものと思われる。
しかし下落は495万円のラインで一時ストップし、510万円台付近まで反発した。CPI(米消費者物価指数)が8.5%という高水準であることが発表されたからだ。
トピック:ビットコインを買い増し、今度はテラ関連
非営利組織Luna Foundation Guard(LFG)が13日約125億円、15日には約6.3億円のビットコインを買い増ししたことがわかった。
ステーブルコインTerraUSD(UST)に関連する仮想通貨LUNA(テラ)のバランスを保つために存在している組織だ。
USTは、価格をある程度保つためにUSTとLUNAの発行・バーンを繰り返すことで供給量を調整する仕組みとなっている。このため、LUNAの価格が大幅に下がらないように準備金としてビットコインを保有しているのである。
6日時点では、ビットコインだけでなく約124億円分のAVAXも購入している。4月に入って、LFGの仮想通貨買い増しが加速しており、準備金プールの構築が着々と進んでいると言えよう。
トピック:「Firefox」のMozilla、PoSの仮想通貨寄付を再開
大手インターネットブラウザサービス「Firefox」を手掛けるMozillaは、1月に停止していた仮想通貨による寄付を再開する方針を示した。
今後は、環境負荷を考慮して仮想通貨による寄付をPoSに限定することを表明。マイニングに多大なエネルギーを消費するPoWは、環境への付加が大きくなることが懸念とされている。
これに対して、PoWによる寄付を拒否することで、同社の資金調査活動を間接的にエコなものにするという狙いがある。今回の措置によって、Mozillaへの寄付にビットコインとイーサリアムが利用できなくなるが、今年中にイーサリアムがPoSへ移行できた場合は寄付再開ということになるだろう。
トピック:ブラジルで仮想通貨規制、「ビットコイン法案」が承認される見通し
ブラジルで「ビットコイン法案」が承認される見通しだという。
ブラジルでの仮想通貨規制に関する法案の目的は、仮想通貨が資金洗浄や資産隠しなどの不正の温床となることを防ぐことにある。さらに、仮想通貨サービスによる詐欺行為を働いた者へは罰金のみならず懲役4~8年を求刑する内容を盛り込むなど、余念がない状況だ。
一方で、マイニングを後押しするために半導体関連の輸入品目を一部非課税とする提案なども出されている。海外からマイニング企業を呼び込む狙いだろう。ブラジルでの仮想通貨規制は、消費者の安全を確保しつつ国を上げて後押ししていくという姿勢のようで、比較的ポジティブなものだと捉えられる。
先週のまとめと今後の見通しの考察
ビットコインは4月に入って初めて大きな下落を見せた。
久しぶりに500万円台を推移する様子から一転、また雲行きが怪しくなってきた。ビットコインに関する動きは様々あるが、すべてが明るいものではない。
PoWの上で動くより他ないビットコインは、環境負荷という大きなデメリットと常に隣り合わせにある。今後ますます環境負荷が問題視されていく中で、ビットコインの価格がどこまで上昇するのか気になるところである。